今回こそ奏和……
と思わせておいて、大山律心!!!
大山律心
大和
切り替える男、合理性の鬼、勝つために最も現実的かつ最短のルートを感情抜きに選んでる感じ。
嫌なキャラっぽく描かれてはいるけど、煽り口調はともかく、基本的にはフェアプレーの精神で戦っている。
対戦相手を物理的に破壊しようとはしない。
煽り口調に関しても、あくまで口撃の範疇。
多少の煽りは他のキャラもやってる。
何より本人のスペックが鬼。
パワーにスピード、頭脳に精神力、異常な読みの力もある。
コートにいながら監督の意図を完璧に汲み、作戦を遂行する力もある。
普通に世界組クラスの力がある…
というより、下手な世界組よりスペックが高い気がする。
高校から始めたのに。
大和、なんなんだお前は
レイド時のリーディングレッグ(カニ歩き)の「隙が少ない」と言う特徴も、大和の性格を象徴しているように思える。
あと、「好き」という感情をいたずらに高尚なものにしないのも素晴らしい。
「得意なものや、結果を出せるものだから逆説的に好きになる」と考える人物。
そうだよな、根本を辿ると自分にとって都合の良いスポーツだから好きになれてるわけで。本質だと思う。
大和は本当のことしか言わない、とチームメイトから評される。
合理を突き詰めれば、回りくどく嘘をつくよりも、ストレートな真実の羅列の方が色々と手っ取り早いのだろう。
感情がないわけではない。
切り替えが早いだけ。
してやられたら悔しがるし残念がる。
負けそうになったら「嫌だ」とも思う。
私の中での結論は、
大和は「目標の達成」と「仲間」の二つを求めていた。
つまりは、カバディによる全国制覇及び、そこに向かってカバディ部のメンバーと研鑽する日々を過ごすことが、大和が求めていたもの。
好きなものが出来ても「気の迷いだ」、
「好きなものがないなら、せめて結果くらいは」などと大和は言うけど、
多分「結果を出すこと、目標を達成すること」自体が大和にとってのこだわり、「好きなこと」なんじゃないかなと。
そもそも大和が野球部をやめたのは、「上には上がいたから」。
しかしカバディ部でも、去年の冬に星海高校と対戦して敗北していることから、「上」の人間をたくさん見たはずだし、ある程度の差も見せつけられたはず。
にも関わらず、カバディ部をやめることなく、全国制覇を目指し続けている……
これも大和がカバディ、及びカバディ部に何かしらの思い入れがある証左だと思います。
何より、大和は繋がりを求めている。
「結果だけを求めているなら、個人競技でもやればいいのに」とかつての野球部の先輩が大和に言った。
しかし、大和が選んだのはカバディ部の創設。
一体なぜ?
野球部の先輩の言う通り、本来なら個人競技を選ぶのが「合理的」。自分の努力や選択だけが結果に直結しますからね。不確定要素が無い。
にも関わらずカバディ部を創設したのは、「仲間と何か成し遂げたかった」というこだわりがあったからでは無いでしょうか。
仲間がほしかった。
あるいは仲間と努力する楽しさ、やりがい、一体感のようなものを感じたかった。
そもそも大和がカバディの前にやっていたスポーツも野球、つまりは団体競技。
野球にせよカバディにせよ、「仲間が欲しい」「仲間と何かをしたい」という想いが一貫して有ったのでしょう。
何より敗色濃厚の試合の最後のシーンで、「今回は気の迷いじゃないといいなぁ」という心情描写が。
現役最後の試合が負け確になろうとしている状況でも、まだ「好き」の感情は途切れていない。
本当に結果主義の人間なら、さっさとカバディから「切り替え」ていてもおかしくないタイミングなのに。
大和にとって勝敗はもちろん最重要。
でもそれと同じくらい重要なのが、仲間と共に努力し、試合に打ち込むこと。
「目標達成」と「仲間と共に何かに熱中すること」、この二つこそが大和の「好き」であり、こだわりなのだと思います。
あるやん、こだわり。
なあ大和!!!!
めっっちゃくちゃ器用で合理的なキャラなんだけど、でも根っこの部分が非合理で、絶妙に不器用な感じがします。
可愛いなぁおい大和!!!!!
亜川監督
指導者としてめちゃくちゃ優秀。
特筆すべきはその分析力と対応力。
王城部長が特殊なことをしても、それを一発で看破し対応するよう具体的な策を与えている。
さらに、この分析力を生かして未来予測に近い芸当も披露した。
試合中、亜川の言う通りに脳筋高校のフォーメーションが変化。これには大和すら驚いた表情を浮かべていた。
更には、対策の内容も現実的で汎用的で、抜け目がない。
「王城対策はやろうと思えば出来るかもしれないが、それに時間をかけても王城以外に応用が効かない。
それよりも、比較的真っ当なスタイルの宵越対策をした方が、今後対戦するであろう真っ当なタイプの攻撃手にも応用が効く」とし、
宵越を重点的に対策、王城は疲労で潰すことを提案した。
この思考と割り切り方は本当に見習いたい。
王城の方が脅威度は高いからといって、闇雲に対策すればいいというわけではない。
時間という限られたリソースをどう使うか、亜川はタイムマネジメントにも秀でている。
更には観察力にも秀で、選手の素質を見抜く眼も持っている。
正直亜川+大和さえいれば、後はどんな選手がいてもある程度のチームになる気がする。
事実、金澤というモブキャラに近い選手を使った奇襲で、3点のレイドを決めている。
大学の全日本選手を招待して律心メンバーの練習相手になってもらったり、
口先だけでない行動力もある。
でも、このキャラの魅力はそれだけじゃない。
大和同様、感情がないわけではない。論理を武装しているから無機質に見えるだけで。
部員を想い、部員と共に一緒に戦い続ける姿勢こそ、このキャラの大きな魅力だと思う。
試合終盤、負け濃厚の場面で、立ち上がって叫んでる亜川の描写。
もうね、このコマだけで亜川が好きになる。
大和も亜川も、どっちも器用だけど不器用な可愛い奴らだ。
なあ大和!!!!!!!
まとめ
「少年漫画的でない」これらのキャラクターを、これだけ魅力あるものに描くセンスに脱帽。
この手のキャラが悪役として描かれやすいスポ根モノに一石を投じる内容にもなってると思う。
事実、大和も亜川もかっこいいしかわいい。
というわけで、次回こそは奏和を書きます。
書きます。
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