【ショーハショーテン】笑-1甲子園9組目「天頂片道切符」②と今後の優勝予想 #ショーハショーテン

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面白い。
優勝するネタって感じがする。M-1向き。いや、笑-1向き。

M-1ウケする要素として、「人の魅力」が挙げられる。

例えば、M-1常連の正統派漫才師が武器とする「綺麗な漫才」は、お客さんからの支持を多く得る傾向にある。
なぜお客さんからの支持を集めるネタは、綺麗なものが多いのか?
理由は単純、お客さんからのウケをより大きく取るため合理化された結果の「綺麗さ」だから。

ただ、審査員や、賞レースを良く見るようなお客さんはそれだけで満足しない。
綺麗だけどパンチが足りない」という評価を下す。
一体なぜか?

ネタの力だけで戦っているからだ。

一方で、人の魅力が武器となっている漫才というものが存在する。近年でいえば、2019のぺこぱや2021の錦鯉辺りが良い例だと思う。見ている人間の多くに愛され、ネタが後半に進むほど追い風が乗った。

魅力が武器の漫才は最強だ。「人」を愛されれば、「ネタ」まで好意的に受け止められる。

綺麗な漫才はネタの力で戦うが、
魅力の漫才はネタ+人の力で戦うのだ。

審査はあくまで「人」が行うもの。
人がより愛したくなるネタが、プラスの評価をされる対象になる。ことM-1においては。

で、今回の天頂片道切符について。
あがり症を押し出したのが本当に良かったと思う。
こういう所が人の魅力、つまりはリアリティ。
「台本を読んでる感じ」がしない。
エブリデイしじみは本当にあがり症の人間っぽい見た目をしているし。つまりはキャラにも合ってる。

もしエブリデイしじみがすました表情で「出来るツッコミ」風に綺麗なネタを披露してた場合、「面白いけど、なんか鼻につくし好きではないな」という評価を下す人が増えたと思う。

ちなみに絶唱サンドバッグの片割れもあがり症らしい。
天然系不思議キャラかと思いきや、その根幹はエブリデイしじみと同じだったと言う。

天頂片道切符のネタ解釈に戻る。
ネタの前半部にはダンスが多く見られた

賞レースでは「動きのあるネタ」が評価される傾向にある。
これにはいくつか理由があるが、代表的な理由は二つある。

一つ、見飽きない。
二つ、必死に動いている姿に好感度が上がる。

一つ目、見飽きないという理由について。
漫才師が棒立ちで喋っているよりは、身振り手振りをする方が状況を理解しやすいし、何より見飽きない。
その動きが大きいほど、良くも悪くもその動きに目を奪われ、脳に情報を入れられ、退屈をしない。今回はそれをプラスに働かせた形だ。

二つ目は、必死に動いている人間を見ると「頑張ってるなぁ」と思ってしまう心理がある、ということだ。

最近話題になった、「学園祭で手抜きする芸人」問題を例に考えてみよう。

この問題があがった際、「この芸人さんは手抜きをしていない!」という声もネット上であがっていた。いわゆる一発屋と呼ばれる芸人や、ダンスを武器とする芸人の名前がよく挙げられていた記憶がある。

もちろんその芸人さん達は手抜きをしていないだろう。
だがそれとは別に「手抜きをしていない」「頑張ってるように見える」理由もあると個人的に思う。

つまりは、動きだ。
「手抜きしていない芸人」として名前を挙げられた芸人さん達の殆どは、
良く動き、良く声を張るスタイルだった。

もし彼らがマイクの前でじっとしながら静かに漫談をするスタイルだったら、「手抜きをしていない」という声はそこまで多くは無かっただろう。

動きというのは、それだけで見ている側に刺激と好感度のバフを与える。

M-1チャンピオンの優勝ネタを何組か思い出して欲しいが、
動きのないネタは本当に一握りである。

動いているだけで、展開してる感じがするし、頑張っている感じがする。
動きは重要な要素である。

さて、話は変わり、今回気になったのが天頂片道切符の突っ込み方。
これまでの出場組と比較して見て欲しいのだが、畦道のツッコミはめちゃくちゃシンプルだ。

こねくり回した「ツッコミ方」で笑いを取ろうとしてない。
畦道本来の言い方で、間やタイミングで勝負してる。
これは畦道のキャラに合ってるし、芸人ウケもするやり方だと思う。

そして、冒頭のハグが実は畦道を応援するためだったという伏線回収。

個人的には正直、「伏線回収」というだけで加点要素にするのはあんまり美しくないな、と思う。

ネタを作ったことがある人なら共感してもらえると思うが、
ネタの後半部分にあるボケに関連したワードや動きをネタの前半部分に入れればいいだけだから、
めちゃくちゃハードルが高い行為ではない。
(東京03の飯塚さんもYouTubeで仰っていた記憶がある)

でも、伏線回収はお客さんからの支持は厚い。
綺麗に見える。美しく見える。凝ったものに見える。
だから、コスパの良い戦い方だと思う。

……と、まるでアンチ伏線回収のような言いぶりをしてきたが、
あくまで「伏線回収というだけで加点するのはいかがなものか」という論である。

今回のハグは良かったと思う。
なぜなら、伏線回収とか関係なく「ハグを応援目的でする」というボケ単体が面白いから。
ネタの前半ではハグに懐疑的だった畦道が、
二回目では好意的に受け取るというギャップもある。

まとめ

ここから更にもう一展開あるということで、期待して見たいと思います。
感想を書くだけで一時間くらいかかったな。

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