埼玉紅葉
佐倉
圧倒的フィジカル、センス。
不安定だったメンタルも、合宿、大会を通じて成長。
盤石なものとなっていった。
長期のブランクを挟んでいたにも関わらず、作中トップクラスに肩を並べる地力と才能。
合宿以降は「なんとなく」の言語化を徹底し、才能を理屈に落とし込んだ。これにより「なんとなく」に頼ることの不安定さが消え、プレイの精度が上がっている。
更に「対戦相手の理想的動き」をイメージすることで、未来を見据えたようなプレイが可能に。
そして、合宿の時は色々な読者からヘイトを貯めていたキャラ。
その理由としては、以下のものが多い。
・長期のブランクを挟んでいながら、一挙7得点など、他の強キャラ達をごぼう抜きにする活躍。及び、佐倉上げ描写、上げ台詞。これらが「才能があるにしてもやり過ぎ」または「くどい」と感じる。
・試合途中の「感謝」をはじめとした、「煽り」とも取られかねない言動が目立った
・特にリアルタイム勢からすると、一話更新されるまでに一週間待つ必要があった、という事情。
「もう1ヶ月くらい、佐倉の活躍シーン・覚醒シーンしか見てない」という不満の声も多くあがった
こうした事情で、灼熱カバディの中でも比較的アンチが多いキャラ。
という経緯を踏まえた上で、再登場時に髪を短く刈ったのを見た時に感心しました。
「作者による、佐倉へのヘイト軽減策なのかな? だとしたら滅茶苦茶上手いな」と。
髪型による印象の変化は大きい。
短髪にしただけで、言動が爽やかに思えるし、別キャラになったかのような印象さえ与える。
登場する全てのキャラを大事にする作風(のように私は感じた)なので、
佐倉というキャラが出来るだけ愛されるよう、工夫を重ねたのではないだろうか。
また、佐倉が最終的にエゴに目覚めたのもその辺りのバランスを取る意味もあったのかな、と推測。
合宿の時は物議を呼んだ「感謝」を、ある意味前振りとした成長にもなっている。
ちなみに紅葉は作中で描写されたネームド校相手の試合全てで敗北しており、その辺りもヘイト軽減のための工夫なのかな、とも思ったりする。
ただ、紅葉は世界組クラスを二人擁しているものの、チームとしての強さは他の学校と比べると一段低い印象。
そういう意味では、試合結果は妥当かもしれない。
なお、紅葉カバディ部は歴史が浅く、部員全員が2年生以下。次年度の戦いに向けて最も戦力低下の無い学校かもしれない。
作中では「紅葉はこれから荒れる」「仲良しチームじゃいられない」と言われ大会を去ったが、
それでも絆と努力によってまとまりを取り戻すのだろう。
世界組の枚数だけなら星海に次ぐレベル。
佐倉・右藤以外のメンバーの成長次第では、優勝候補に名乗りを上げるか。
ちなみに、佐倉は「山田の未来」の中でプロ選手となり、リーグ優勝を果たしていることがわかっている。不破に例えられるほどの才能、プロ選手として無双していてもおかしくはない。
というわけで、灼熱カバディプロ編待ってます。
右藤
こういう「突出した才能はないけど、天才の集まりに肩を並べていたキャラ」がとても好き。
同様の理由で、外園や山田も好き。
なので、右藤が合宿編で登場するたびに「何かしら活躍してほしい!」と思いながら読んでいました。
「引き出しの多さが武器」というのはかなり現実的で、良い落とし所だと思います。
確かに「天才!」ではないのかもしれないけど、
かといって凡人が一朝一夕で真似できるものでもない。
結果、凡人と天才の中間くらいの位置にいるような、
それぞれの橋渡しが出来るキャラになったのかなと思いました。
価値観は結構シビアで現実的。
少し抜けたところがある佐倉と比較すると、
「(宵越にまだ何も貰ってないから)何も教える必要はない」
「外園さんは『こっち側』」
など、色々しっかりしてる印象。
右藤の特徴は引き出しの数だけではない。
単なるまとめ役・ムードメーカーというだけではない、したたかさがある。
ちなみに、佐倉の影に隠れてはいるが、元世界組の一番であり、
世界戦でも何勝か挙げている。
結果だけで見れば、作中登場している世界組の中でもダントツの功績を残している。
全然「隠れた実力者」ではない。
しかも絶対的エースの佐倉抜きのチームで勝利を挙げているあたり、
右藤のチームマネジメント力の高さがうかがえる。
フィジカルや能力だけが全てではない。
「チームを頂点に導ける者こそが最強」という不破の定義でいえば、
中学時点での「最強」候補は右藤ということになるだろう。
ちなみに、右藤が各選手を点数化した場合、
六弦:100点
高谷:100点
佐倉:100点
片桐:80点
右藤:70点
……
という感じらしい。
「100点は天才」「70〜80点あたりが凡人の到達点」だという事か。
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