特盛牛丼大盛りが見せた、準決勝ウケ量の上位10組は以下の通り。
天頂片道切符
ライジン
ガラスの靴が割れた
柴犬世界一周
ごちそう打たせ場
エアフォースワン
チックタックシンドローム
ドン・ザ・キッド
ぶるーたす
遥かゆたか
この10組が決勝に勝ち上がった場合、決勝でどのような順位になるのかを予想する。
上から順に予想していこう。
天頂片道切符
優勝。
それ以外無い。
本家M-1は「新しい笑い」が大好物。
予想の範囲内で起こる笑いと、予想を超えた笑いなら後者の方が評価される。
新しい、というだけでバフ要素となるのだ。
M-1王者の多くも「他には無い漫才」「他には無いキャラ」を携えている。
王道であっても、邪道であっても、皆自分たちなりの新しさを追求する。
特にお笑いは、時代の移り変わりによる影響を受けやすいものだと思う。
もちろん三段落ちなど、「仕組み」の部分は変わらない良さがあるが、
その上に乗っかるネタの部分はそうではない。
例えば、大昔の漫才を見ても正直腹を抱えて笑うことはまず無い。
そういうものだと思う。
「闇雲に新しさを追求するのは浅はかだ」という考えもあるかもしれないが、こと笑いに関しては話が別だ。
50年後の漫才は、きっと今よりもっと新しくて面白い。
そして、「50年前の天頂片道切符のネタ、今見たら古いよな」と思われる時代もくるのかもしれない。
それでいいと思う。
彼らが生み出した「新しさ」が時代に定着した証明なのだから。
そしてまた、新しい何かが出てくるのかもしれない。
まあ正直、今の時代でもかなり色々な漫才の型が出尽くした感はあるが、それでも2028年に天頂片道切符が新しい型を見つけるくらいなのだから、
まだまだ漫才は進化するし、「古い漫才のままでいいや」とあぐらをかいてはいられない。
長くなったが、要するに天頂片道切符は「新しい型」で「爆ウケするネタ」を用意できた。
これはもう400%優勝。
M-1はそういう大会。
一般層の認知度の低さも考えると、ミルクボーイ的な跳ね方をするのでは。
二本目が多少弱くても勝ち逃げできるくらいの笑いは取るはずである。
弱点だったメガネのあがり症も改善され、むしろ社会適合化している。
つよい。
あそこまで見た目も喋りも垢抜けるには相当な努力がいる。
心が折れることもいっぱいあったと思う。
よく頑張った。
不安材料は全くない。
670点代以上を出しそうな顔をしている。
ライジン
準優勝して「あの時(笑-甲)と一緒かよ」的な再現演出になりそう。
前年度の実績的に優勝候補として臨むことになるだろうが、問題は彼らのスタイルが既にバレている点。
M-1では、フォーマットがバレた後に優勝する例は極めて少ない。
「新しい笑い」の逆、「もう知ってる笑い」になるから。
そういったコンビが結果を残すためには、ネタだけでなく「人」を愛してもらう必要性が出てくる。
ネタを知られるのはデメリットばかりではない。
その分、演じている「人」を知ってもらえる機会が増えるからだ。
「人」に魅力を感じられた場合、それが「新しさ」を補完する役割となる。
要は、ドラマを背負う、ということだ。
この傾向は特に2020年代前半のM-1に多くみられた。
「こいつを応援したい」と思わせる力。
それが漫才に乗る。
で、肝心のライジンだが、特盛牛丼大盛りの評価をみるに、ネタの力も強化されているようだ。
若者人気のイメージが強かったようだが、着実に力を蓄えている、とのこと。
さて、Wボケはあちらの世界ではライジン以外にあまり存在しないようだ。
こちらの世界には笑い飯がいるが、笑い飯は飽きられること無く連続出場を続けた。
じゃあライジンも、飽きられることはないのでは? ……いや、それはどうだろうか。
個人的な考えだが、笑い飯のWボケは「フォーマット」とはまた違う、もっと根幹の役割の部分を変化させているように思う。
そして、それ以外は特に決まり事はなく、(「わかったから俺にもやらせてくれや」みたいな定型ワードはあるが)、メインのネタの部分はかなり柔軟。
一方のライジンは、Wボケだけでなく、ネタの部分にも特徴的なツッコミや定型的なツカミが乗っかっている。
つまり、意外ときっちり要素を集めて、「そういう型」にしてやっているのだ。
だから、このままだと「Wボケ以外の部分」に飽きられる可能性は十分ある。
個人的な体感だが、M-1の決勝は3回目までと4年目以降で優勝難易度が大きく変わる印象がある。
唯一優勝した笑い飯ですら、2010は「スリムクラブの方が笑いは多かった」と言う人も少なくない。もし2010が笑い飯にとって初出場の年だったら、そういう声も少なかっただろうし、もっとウケていただろう。
ライジンにとって今回は2回目の決勝進出だが、恐らく優勝は天頂片道切符になる。
となると、その次は3回目。
そこで優勝をさらえるかどうかが、彼らにとっての勝負となる。
それはともあれ、2回目となる今回は660点前後を出しそうな顔をしている。
ガラ靴
2年ぶりの返り咲き組。
憑依ボケとキレのあるツッコミで笑いをとるオーソドックスなコント漫才。
本来、こういう組は優勝まではいかない。
しかし、ガラ靴は「決勝では珍しい女性コンビ」という希少性により、「新しい」と審査員・視聴者は感じやすい。
ガラ靴からすると「女性だから!?」と思うかもしれないが、
念のため審査員や視聴者サイドをフォローしておくと、「女性だから」ではなく「希少だから」だろう。
例えば、とある男女コンビがもし二人とも男性だったら、「新しさ」は目減りし、恐らく点数は低くなっていた可能性が高い。
あるいは、もしもとある「○人組の大人数コンビ」が二人組だったら、そのコンビのインパクトは減少し、点数は低くなっていた可能性が高い。
希少性は強さ。
「珍しい」は「見たことない」「新しい」につながる。
M-1を獲ったコンビの9割以上が、「何かしらの独自要素」を持っている。
また、ガラ靴はシンプルにネタの水準と技術力が高い。
3位〜5位にはほぼ確で入ってくると私は踏んでいる。
天頂片道切符、ライジンに次ぐ3位の座を他の組と争うのではないか。
650点代を取りそうな顔をしている。
柴犬世界一周
コントとの二刀流に目覚めた柴犬世界一周。
私にはわかります。この組は4位を取ります。
M-1を見ていればなんとなく感じることですが、このタイプの安定コント漫才は4位に入る率が極めて高いです。
総合的に高い点数を取るけど、トップ層には一段及ばない……くらいの得点になりがち。
正直他の組と比べて、主人公との因縁や、背負っているドラマは薄い方なのだけど、ここまで強キャラに成長するとは。
650点代を取りそうな顔をしている。
コメント
ドン・ザ・キッドは初登場時に笑-1、UCB共に3位と現実世界だとロングコートダディレベルの実績だったけど、まだキャリア10年以内だったんですかね。最終回がラストイヤーだったとしても。