意味がわかると怖い話 “十”
潔癖症
姉は筋金入りの潔癖症だ。いつも部屋をピカピカにしてないと気がすまない。
私はというと、どちらかというとズボラな方で、ゴミが散らかっててもあまり気にはならない性格だ。
だから同じ部屋を使ってる私たちは、なんとなくぎこちない感じだった。
ある日、業を煮やした姉はついに切れた。
「あんたいい加減にしてよ!毎日毎日部屋を散らかして!片付けてるこっちの身にもなってよ! どうせわざと散らかして片付けてる私をみてほくそえんでるんでしょ?もうあんたみたいな薄汚れた人間なんて真っ平よ!」
そういって出て行ってしまった。
ものすごい剣幕だったので「なによあれ・・・」と 思いつつも、私も少し反省して、
これからは少しづつでも整理整頓できる女になろう!と 決心し、とりあえず今散らかっている部屋を掃除し始めた。
30分後・・・部屋の隅から隅までゴミ一つない光景がそこにあった。我ながら感嘆の溜息を漏らし、 私だってやれば出来る!という自信がついた。
そこへ姉が帰ってきた。どうやらゴミ袋を買いに行っていたらしい、 それにしても随分と大きなゴミ袋だ。
私は「見てお姉ちゃん、あたし頑張ってこんなに綺麗にしたのよ!だからそれも必要ないし。 あたしだってやればできるんだから!」と息巻いた。
姉は「そうね」といいつつも、ゴミ袋を一つだけ取り出した。
【解説】
潔癖症の姉は、汚れの原因になる妹を処分することに決めた。
お母さん
夕方遅く学校から帰ってくると、家の中が暗い。
「おかあさ~ん」と呼ぶと、2階からか小さな声で「はあ~い」と
応える声がする。もういっかい呼ぶとまた「はあ~い」。
2階へ上がったところで、誰かが玄関の戸を開ける音が聞こえた。
「しゅんすけ、帰ってる~?」
母だ。
なあんだ。さっきの声は気のせいか。
下へ駆け下りると、誰も居ない。
「・・・おかあさん?」
呼んでみると、「はあ~い」。
風呂場の方だ。
洗面所をのぞいても、誰も居ない。
風呂の戸を開けて入る。
「・・・おかあさん?」
「・・・はあ~い」
すぐ後ろから声がした。
母の声じゃない。怖くて振り返ることが出来ない。
【解説】
何者なのか。
ビデオ
スナッフビデオって知ってるか?
俺は見たことあるぜ。
飲み屋で知り合った男に見せてもらった。
男に招待してもらったのは山奥の山荘。
俺は先に到着したんだが男は30分遅れた。
「悪い悪い。真ん中の子供が高熱を出してな」
男は笑った。
それは無残なビデオだった、興味本位で来た自分に後悔した。
日本人の子供・・・10歳位か?・・・が無残にも・・・
最後まで見られなかった。
俺は叫んだ。
「お前にも子供は居るんだろ!!」
男「二人居るが、それがどうした?」
【解説】
山荘に着く前の時点では、男には奇数人の子供がいた(『真ん中の子供が高熱を出していた』)、
しかし山荘に着いた時点で、子供は二人と話している。
一体なぜ減ったのか?
見せられたビデオの内容から考えると…。
300万
完全に密閉された部屋の中で一ヶ月生活できたら300万というゲームに参加した。
事前に持ち物を用意出来るっていうんで、
大量の水と携帯食糧、ライトに電池、携帯ゲームに漫画と
持てる限りの荷物で挑んだ。
ゲームの主催者が「本当にその装備で大丈夫か?」と念を押す。
「ああ、問題ない」
答えるとゆっくりと扉が閉められた。
一筋の光もない。音もない。シーンと静まり返っている。
しかし、携帯ゲーム機もあるし、
ライトの明かりじゃちょっと暗くて読みにくいけど漫画もある。
食料だって沢山ある。
トイレは、まあ多少きたないけどその辺ですればいい。
一ヶ月耐えれば、300万だ。
僕は、少し眠くなったので、とりあえず眠ることにした。
【解説】
「完全に密閉」された部屋のため、酸素が早々に尽きる。
エレベーター
ある高層ビルのエレベーターに定員ぎりぎりまで乗っていました。
途中でそのエレベーターのワイヤーが切れてしまい一番下まで落下してしまいました。
しかしその事故では一人も怪我人はでなかったそうです。
【解説】
怪我人はいない。全員亡くなったから。
古いカメラ
「やるよ」
そう言って親父が俺に渡したのは、古いカメラ
「これにはな、人の死に顔が写るんだよ」
「は?全然面白くねーよ」
親父は黙ったままだった
数ヵ月後、親父は死んだ
急性の心臓発作だった
それから数ヶ月経ち、カメラの話を怖いもの好きの彼女に話してみた
「そのカメラのはなし、本当なの?」
「撮ってみるか?」
「そうしよっか」
おい待て、冗談で言ったんだぞ
だが、後には引けない…
カシャ
「なんだよ、コレ」
俺の顔はいつもと変わらなかったが、彼女の顔が血塗れだった
「なんかイタズラしたんでしょ!?」
もちろんしていない
それに、写真を撮ろうと言ったのはそっちじゃないか
取り乱したまま、彼女は帰ってしまった
…俺が逆の立場だったら、そう思うと責める気にはなれない
数日後、彼女が交通事故で死んだ
聞いた話だが、顔は血塗れだったそうだ
「苦しかっただろうな」
写真を見せて以来、ずっと怯えていたらしい
あの写真を撮らなければもっと楽しく数日生きられたんじゃないか、と考えてしまう
俺は彼女の分も強く生きようと思った
【解説】
カメラに映った「俺」の顔が「いつもと変わらない」ということは、
恐らく「俺」も近いうちに死ぬ。
鍵
仕事から疲れて帰って来て、さぁアパートの自分の部屋でくつろぐぞ、と玄関を開けようとして鍵が無いことに気づいた。
どこをどう探しても無い。
どっかで落としたか・・・?
会社か?
とりあえず大家に言えば鍵を貸してくれるだろうが、もう夜中の2時をまわっていたので、叩き起こすのも悪いかな、と思った。
幸い、実家はすぐ近くなので携帯から電話を掛けて母親を起こし、実家に泊まれたので助かった。
こんなことなら家の鍵に大きな鈴でも付けようか、などと本気で思ったりした。
自分はあまりゴテゴテしてるのは好きではないので、鍵には特に何も付けてなかったんだが、やっぱり鍵を単体で持ち歩いてると失くしやすいのかな。
大家に新しい合鍵を作ってもらったら、何か目立つようなキーホルダーでも付けよう。
・・・なんて思いながら会社で仕事を始めた直後、あまり普段話したことの無い同僚が話しかけて来た。
「これ、おまえの鍵だろ?落ちてたよ。気ぃ付けろよw」
差し出された鍵を見ると、紛れも無く俺の鍵だ。
結構、この同僚イイやつかも知れないな。これから仲良くしてみようかな。
【解説】
キーホルダーも何も付いていない何の特徴もない鍵が、なぜこの投稿主のものだと同僚は気付けたのか。
恐らくこの同僚が盗ったものと思われる。
トイレ
この前さ、買い物中急に腹が痛くなってデパートのトイレに駆け込んだんだ。
そしたら、トイレの個室をノックしてドア開けるような音がしてさ。
端から順番に入っているやついないか確認してるみたいなんだよ。
俺一番奥の個室にいてさ。すぐとなりの個室まで調べ終わって、巡回の警備員かぁ、なんか恥ずかしいなぁ
とか思いながらノックされるの待ってたら全然ノックされなくてさ。
あれ?っと思ったら急にトイレが薄暗くなって
あぁ気づかれずに電気消されちゃったかなっと思って
出すもん出して個室からでたら電気なんて消えてなかったんだよね。
さすがに怖くなって手も洗わずに走って逃げたんだけど
俺、もうデパートのトイレ入れないわ。
【解説】
電気はついたままなのに、薄暗かった。
恐らく、「俺」の入っている個室の隣の個室に誰かが入り、上から身を乗り出して覗き込んでいたから、
照明が遮られ急に薄暗く感じたのだと思われる。
父
驚かせてやろうと単身赴任している父の家に内緒で遊びに行った。
鍵が空いてて、無用心だなと思いつつ中に入った。何故かいつもと雰囲気が違う。
朝だからだろうか。寝室を覗くと差し込む日差しが眩しくて、よく見えない。
見知らぬ下着姿の女が父のベッドで眠っていた。
誰、この女の人。まさか、父の不倫相手?。信じられなかった。
別居の理由はこの女かもしれない。きっとそうだ。
パニックになった私は、近くにあった重い灰皿で女の頭を何度も殴った。
汚らわしくして耐えられなかった。女はすぐに動かなくなった。
我に返り、怖くなった私は逃げ出した。
それから父の元へは行かなくなった。父が犯人となり逮捕されるかもと思ったが、
不倫する父など逮捕されればいいとも思った。
怖くてニュースは見られなかった。怯え続けて数か月、母から父が寂しがっているから
一緒に会いに行こうと言われた。迷ったけれど、やっぱりあの女の事が気になり、
母と一緒に父の部屋に行った。
父は以前と変わらず、元気そうだった。
もしかしたら、あの日のことは夢だったのかもしれないと思った。
そろそろ帰るかという頃、覗きこんだ寝室に射し込む夕日を見て、
私は、とんでもない事をしてしまったことに気が付いた。
【解説】
朝日と夕陽が同じように部屋に差し込むことはない。
つまり、父の部屋だと思った冒頭の部屋は違う人の部屋で、人違いで女性を殺めた。
俺
いま電話があって俺がバイクで事故を起こして警察に捕まったらしい。
しかも相手が妊婦で流産までさせてしまったそうだ。
示談にするから金振り込めっていうし、電話の向こうで俺は泣いてるし、
いったい俺はどうしたらいいんだ。
【解説】
オレオレ詐欺の連絡が、本人に来た。
転んだら死ぬ夢
俺はとある夢を見た。
小さな田舎町に到着したんだが、いたる所に紫色の死体が転がっている。
怖くなったが、先に進まなきゃいけない気がして、俺は先に進んだ。
しばらくすると、小さな女の子がやってきた。
「この村は転んだら死ぬ村。転ばないように注意してね。」
その瞬間、チェーンソーを持った男が襲いかかってきた。
俺と女の子は必死に逃げようとしたが、女の子は逃げ始めてすぐ転んでしまった。
「おい!大丈夫か!」
俺は女の子に声を掛けたが、既に体が紫色に変色していた。
「ヤバイ!俺も死んでしまう!」
5分くらいチェーンソー男から逃げた後、俺は目が覚めた。
「なんだ…夢か…」
「結構リアルな夢だったな…」
あまりに異様な夢を見たもんで、俺はネットでその夢について調べた。
なんと、世界中に同じ夢を見た人が何千人といることが分かった。
ただ、幸いにも夢の中で転んでしまった人は誰一人いなかったらしい。
【解説】
夢の中で転んだ人が誰一人いないのも当たり前である。転んだ人間は全員死んだのだから。
同じような夢を何千人も見ているのに、転んだ人は一人もいないという異常性。
これこそが、夢の中で転んでしまった場合、確実に死ぬことの証明になっている。
辞書
こないだ仕事が終わらず、上司に休日出勤をさせられたんだ。
会社に行っても、俺一人だし、なんだかイライラしててさ
むかつくからイタズラしてやろうって思って
上司のパソコンに
「うんゆ」→「運輪」
「こくどこうつうしょう」→「国土文通省」
「せんじつは」→「先曰は」
「けっさん」→「抉算」
「ねんどまつ」→「年度未」
「しゃちょう」→「杜長」
「おくえん」→「憶円」
とか、辞書登録してやった(笑)
メールとか資料作る時恥かくんだろーなー。
いい気味だ。
辛いまだバレてない。よかった。
【解説】
「幸い」を「辛い」に誤変換している通り、投稿主も誰かに誤った辞書登録をされている。
札束
ある男の所に、見知らぬ紳士が箱を持ってやってきた。その箱にはボタンが付いていて、
それ以外には何も仕掛けらしきものは見あたらなかった。その紳士は穏やかな口調で1男に言った。
「あなたがこのボタンを押すと、どこか遠い場所で、あなたの知らない人が死にます。
そのかわり、このボタンを押して頂けましたら、あなたに100万ドルを現金で差し上げましょう。」
そう言うと、紳士はボストンバックを開き、中に詰め込まれた札束を見せた。
男が躊躇うと、紳士は3日後に箱を取りに来るから、それまでに決心して欲しいと言って
去っていった。
男は悩んだが、誰も知らない人間なのだからと、最後の日にボタンを押した。翌日、
紳士が現れ、男に礼を言って100万ドルと引き替えに箱を回収した。
紳士が会釈して去ろうとしたとき、男は紳士に尋ねた。
「本当に人が死んだのか?」
すると紳士は答えた。
「はい。確かに昨晩、遠い場所で、あなたの知らない人が死にました」
男は良心が痛んだが、目の前の札束を見て自分を納得させた。
「もう一つ教えてくれ」
「はい、何でございますか?」
「その箱はどうするんだ?」
すると紳士は微笑んで言った。
「どこか遠い場所の、あなたの知らない人に届けます」
【解説】
恐らくだが、ボタンを押した人間が次の標的になる。
もしかするとその際に金も回収されているのかもしれない。
父親
ありふれた一般家庭、そこに言い争いをする兄と妹がいた。
それを父親が目撃し止めに入る。
父『コラコラどうしたんだお前たち』
兄『どっちがパパを愛してるのかって言い争ってたんだ』
父『お前たち……』
うっすらと涙をうかべ子供たちの頭をやさしくなでて部屋をあとにした父親。
すると、また言い争いが始まる
兄『お前のほうだよ!』
妹『お兄ちゃんよ!』
【解説】
熱い押し付け合いだった。
宗教
「死にたい。」
それが、友人の田中の口癖だった。
事業で失敗し、妻には去られ、後に残るのは莫大な借金のみ。
彼はこの前、居酒屋で俺に絡んできた。
「良いよなあお前は。出世コースまっしぐらだし、娘さんはアイドルだったっけ?」
俺は適当に相槌を打った。また、田中の僻みが始まった。
確かに俺は次期部長の座は約束されているし、娘はテレビにも頻繁に出演するアイドルタレントだ。
俺は、田中に聞いてみた。
「そんなに不幸なら、いっそのこと自殺しようって考えたことはあるのか?」
田中は俯いて、自嘲気味に笑った。
「残念ながら、俺はこれでも熱心な仏教徒なんだよ。自殺して地獄に堕ちるのなんて、まっぴらだぜ。」
そういうものなのだろうか。無宗教な俺にはよくわからないが。
そんな田中から、ある時メールが送られてきた。
そのメールには、俺の最愛の娘の、えげつない裸の画像が添付されていた。
そして、田中から一言。
「自暴自棄になって、お前の娘さんレ○プしちゃいました~!! バーカ、ざまあみろ!!」
……俺は完全に、ブチ切れた。
後になってそのメールが、グラビアの写真を切り張りした、ただのコラージュだと知った時には全てが遅過ぎた。
【解説】
自殺したくはないが、死にたかった田中は、
殺されるためにわざと「俺」を煽った。
箱
ある男が道を歩いていると、道の真ん中に箱が置いてあった。
箱には張り紙が張ってあり、
そこには「決して中身を見るな」と書かれていた。
しかしそう言われると見てみたくなるのが人の性。
男はとりあえず箱を持って人気の無い所へ行った。
男は箱に手をかけようとした、しかしその瞬間男は思った。
(もしかして爆発でもするんじゃないだろうか・・・)
もしもこれがイタズラだとして、何か仕掛けがあってもおかしくはない。
男は考える、どうにかして中を見たい、だが万が一があると怖い・・・。
そして男はひらめいた、誰かに開けてもらえばいいのだ。
なので男は再び箱を道に戻した。
同時に誰かの舌打ちが聞こえた気がした。
【解説】
「他人に箱を開けさせる」方法をひらめいたのは、男が初めてではなかった。
男よりも先に箱を見つけた人間も同じようにひらめいて、後から来た男の様子をうかがっていた。
盲目
第二次世界大戦中に広まった都市伝説。
ある日の夕暮れ、
一人の少女が通りを歩いていると、
杖をついた盲目の男が声をかけてきた。
「この手紙を靴屋さんに届けてくれませんか?」
少女は困っている人を助けたいという思いから快く引き受けた。
男との別れ際、何気なく振り返ってみると、
盲目のはずの男が杖を使わずにシャキシャキと歩いている。
不審に思った少女は、靴屋には行かずに警察に手紙を届けた。
少女の話を聞き、手紙の内容を読んだ警察は、すぐに靴屋を家宅捜索した。
靴屋には大きな冷蔵庫があり、中から肉の塊が見つかった。
食糧難の時代に靴屋が肉の塊を保管していることなどあまり考えられないことだ。
警察の取調べに靴屋の夫婦は、
肉の塊は誘拐した子供たちだと白状した。
少女に渡された手紙にはこう書かれていたという。
「今日の分は、これで最後」
【解説】
この手口で、盲目の男は「食用の子供」を、靴屋に提供していた。
美容整形
最近彼氏の様子がおかしい
ほとんどしゃべらないしなんかニヤニヤしてるだけ
ウチに来てもすぐ部屋の電気消してHだけしてそそくさと帰ってく
「ねぇ…この前アンタの彼氏見たんだけど…」
「えっ?」
「言いにくいんだけど…有名な〇△美容整形外科あるじゃん、あそこから出て来たよ」
「えーっ!ウソぉ!?」
何アイツ?色気づいてプチ整形でもしたわけ?私にバレたくないからコソコソしてんの?
そういうことだったんだ…
ところでアイツどこ整形したんだろ?
全然変わり映えしないんですけどぉーwww
【解説】
おそらく、投稿主のストーカーか何かが彼氏に成り代わっている。
美容整形で彼氏そっくりに顔を変え、投稿主といる時はできるだけ部屋の電気を消し、声を出さないようにして、偽物であることがバレないようにしている。
本物の彼氏は恐らく、もう…。
電話
『もしもし、今電話だいじょぶ? 』
「大丈夫だよ。どうしたの?」
彼女の抑えたような声を聞きながら、俺は欠伸を噛み殺した。
『実は今、私、つけられてるみたいなんだ』
彼女の一言に、一気に眠気が吹き飛ぶ。
「えっ、本当?」
『うん、駅からずっとついてきてるみたいなんだけど…』
「それってこないだ言ってたストーカーって奴?」
つい先日、彼女はストーカーの被害にあっている。自分が出したゴミをあさる不審者を見たのだ。
『違うみたい。この前の人は冴えないオジサンだったけど、今ついてきてるのは若い人だから』
「そう…大丈夫?家の人に迎えにきてもらったら?」
『今夜は家に誰もいなくて…そうだ、ちょっと待って』
少しの間が空き、一転してやけに大きな声で彼女が喋りだした。
『あ、迎えにきてくれるの?帰るついでに?じゃあパトカーで来るの?』
俺は思わず吹き出しそうになるのを堪えた。これだから彼女が好きなのだ。
『えー、普段は警察っぽくないんだからたまにはそれっぽくしてよー…はいはい、じゃあよろしくね』
彼女には確かに警察官のお兄さんがいる。その兄が迎えにくると思わせようというのだろう。
『…やった!上手くいったわ。ついてきてた人、途中でいなくなったみたい』
はしゃいだ声で彼女は言った。おそらく、たまたま途中まで同じ帰り道の人だったのだろうが。
「本当?まだ心配だな…そっちに行って家まで送ろうか?」
『ううん、あと少しで着くから大丈夫よ。心配かけてごめんね。じゃあまたね、ミカ』
彼女は電話を切った。俺は右耳につけていたイヤホンを外す。
今夜、彼女はこの家に一人、もうすぐこの道を通って帰ってくる。
冴えないオジサン、なんて評価もきっと改めてもらえるだろう。
【解説】
「ストーカーの冴えないおじさん」が、彼女の家で、彼女の通話を盗聴して待っている。
妻の妊娠
長年連れ添ってきた彼女と、ついに結婚することになった。
彼女は嫉妬心が強い子で、他の女の子と話をするだけですぐに不機嫌になるんだ。
でも、本人は浮気をまったくしないし、俺だけを愛してるって何度も言ってくれた。
だから俺は、彼女と結婚することに決めたんだ。
挙式を終えて、一戸建てを買って二人の新婚生活が始まった。
妻は毎朝俺を玄関から見送って、夜はかならず料理を作って待っていてくれる。
俺は本当に幸せだった。
そして数年後、妻が初めての子供を孕る。
医者によると女の子だそうだ。
俺は初めてのことで、それこそ大喜びした。
妻も笑顔で自分のお腹をなでて喜んでいた。
やがてお腹もぽっこり出てくるようになり、俺は妻の腹に耳を当てて、
もうすぐ生まれてくる我が子の様子が気になって仕方がなくなるようになった。
朝起きたとき、夜帰ったとき、俺は毎日のように妻のお腹から我が子を可愛がった。
ある日、病院から仕事先に一通の電話が鳴った。妻が流産したのだ。
俺は上司に無理を言って、急いで妻が担ぎこまれた病院に向かった。
そこで俺は、産婦人科の担当医から、流産の事実を聞かされた。
嘘ではなかった。
俺は病室で寝ている妻のところへ向かった。
妻は疲れたような、悲しいような目で窓の外を眺めていた。
俺は「残念だったな・・・」と呟いた。
「・・・そうだね」と妻も呟いた。
その後に、振り絞るような声で、こう続けた。
「でもあたし、また子供つくるよ。
死んじゃったあの子の分も生きられるような、元気な男の子をね・・・」
【解説】
お腹の女の子にも嫉妬をした妻は、自ら流産する道を選んだ。
お留守番
お留守番をしている子供のもとへ、母親から電話がかかってきた。
子「もしもし?」
母「ちゃんとお留守番してた?今からケーキ買って帰るね!」
子「うん、分かった。早く帰ってきてね!」
母「すぐに帰るわよ。待っててね。」
子「うん!」
ピンポーン
家のチャイムが鳴った。
子「あ、だれかきたみたい!」
母「ん?」
子「ぼく、出てくるね!」
母「だめ!」
子「もう玄関の前だよ」
母「開けちゃだめ!!」
子「あれ、おまわりさん?」
母「…」
あれから10年、未だに母には会えていない。
【解説】
「お母さん」は誘拐&監禁犯。
幼い頃に誘拐した子供は、「お母さん」のことを実のお母さんと思っているが、
誘拐事件が警察官にばれて保護されたため、「お母さん」とは会えなくなった。
ゲイビデオ
「ダニエル、今すぐ帰って来なさい」
「何で?」
「ゲイビデオにお前が出演しているのを見たぞ!お父さんはがっかりだ」
【解説】
ゲイビデオに出演した息子を父親は非難したが、
そもそもなぜ父親はゲイビデオを見ていたのか。
ドナーカード
医者「臓器適合者が見つかりましたよ」
患者「本当ですか!?これで助かるんですね」
医者「あと数ヶ月遅かったら手遅れになる所でした。 ところでドナーカードはお持ちですか?」
【解説】
この患者はもう手遅れ。
この患者の臓器が適合した、他の患者への臓器提供を迫っている。
傘
彼が店を出ると、雨が降り始めていた。傘立てから自分の傘を取り、
通りへと出る。 しばらく歩いていると、後ろから誰かが追いかけてきて彼に言った。
「あの!・・・そ、それ私の傘です!」
振り返ると、そこには女性が濡れながら立っている。どうやら傘を間違えて持ってきてしまったようだ。彼は素直に謝り彼女に傘を返すと、雨の道を濡れながら歩いた。
そして家に着いた彼は彼女に別れを告げ、素早く部屋に入りシャワーを浴びた。
服も体も濡れてしまっていたので早く体を温めたかったのだ。
処理しなければならない仕事も残っているが、夜にする事にしよう。シャワーから出て体を拭き髪を乾かした彼は、身支度を整え家を出た。
まだ雨が降っている。
彼は自分の物になった傘を差すと、家路へと急いだ。
【解説】
男は傘を返した女性の後をつけて、女性の家で女性を殺し、傘を手に入れて帰っていった。
真由美ちゃん
私は中学生の頃いじめにあっていた。
でも、トラウマになったりはしていない。真由美ちゃんという女の子のおかげだ。
真由美ちゃんは可愛くて頭が良くて運動も出来て、人気者だった。
クラス全員に無視される中、真由美ちゃんだけは優しく話しかけてくれた。
私とは違い友達も大勢いたので四六時中私と一緒にいて貰うことは出来なかったが、
他の子と話している時も私の方を見てにっこり笑ってくれたりした。
そんな真由美ちゃんが突然転校することになった。
真由美ちゃんがいてくれたから辛くても頑張れたのにこれからどうなってしまうんだろう…と思っていたが、
真由美ちゃんが転校して間もなくクラスのみんなと打ち解けられた。
きっと人気者の真由美ちゃんが転校する前にイジメなんてくだらないことやめなさいって言ってくれたんだと思う。
成人した今でも真由美ちゃんにはとても感謝している。
【解説】
実は真由美ちゃんがいじめを煽動していた。
その上で、自分だけは話しかけて恨みを買わないようにしていた。
ラブホテル
その日俺は仕事を終えて、恋人との約束の場所に集合して2人でお洒落なバーて食事をした。
食事を終えた後その足でラブホテルに向かった。
ホテルに到着し、受付の男性に部屋が空いてるか尋ねた。
男性「今日は金曜日ということもあって、埋まってるんですよ。ただ、1部屋だけ空いてるのですが、その部屋は....」
俺「それならその部屋でお願いします。」
男性「いやー、実はその部屋は呪われてまして、その部屋に入ったカップルのうち女性の方が、その後全員亡くなったんですよ。それもその部屋に滞在して10日以内に。」
それを聞いたら俺達は一瞬顔が強ばるも、「俺達には関係ない話だよな。」と思い、その部屋に入ることにした。
宿泊後から10日が経過するも、恋人は普通に生きている。
【解説】
二人とも男だった。
アサガオ
母「リョウちゃん、ここにこの種を蒔いてね」
子「これ蒔いたらどうなるの」
母「これはアサガオの種だから、アサガオが咲くのよ」
子「これは?」
母「これはヒマワリの種だから、ヒマワリが咲くのよ」
子「じゃあ、ママが昨日蒔いたあそこには、パパが咲くの?」
【解説】
ママがパパを埋めた。
難破船
船が難破して何日か経ち、自分のせいだと海に飛び込もうとする船長を船員達が必死に止めた。
『止めてください船長!』
『船長に死なれては困ります!』
『お前達それほどワシのことを…』
船長は感激でむせび泣いた。
数ヶ月船は発見され船員達は全員無事だったがそこに船長の姿はなかった。
【解説】
船長は食べられた。
船員たちにとって、船長が海に飛び込んで死なれて困る理由は、食糧が減るからだった。
犬
ある男が犬を売った。
新しい飼い主「この犬は小さい子供が好きですか?」
もとの飼い主「とても好きですよ。でも、ドッグフードの方が安上がりですよ」
【解説】
この犬は、小さい子供を餌として食べたことがある。
【http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1460961127/】より引用
【http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1559056161/】より引用
【http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1483738829/】より引用
【https://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1463217544/】より引用
コメント
意味怖大好きなのでこのサイト見つけたらすぐ読み始めて3日で8話まで見終わって、しまいました(笑) 他にも思いつく意味怖があるのでぜひこのサイトで、紹介してください。待っております。
同類です