意味がわかると怖い話 “四”
アパート
子どもも出来て、アパートも手狭になったので、中古の一軒家を買った。
それが、築3年で庭付き駅近、信じられないような格安物件だったんだ。
友人には「事故物件じゃね?」なんて言われたけど、ご近所さんも気さくで優しいし、今時珍しいおすそ分けなんかも頂けるので俺は気に入っている。
妻は、「時々、おこげ入りの失敗作もあるのよ」なんて笑っているが。
しかし、1ヶ月程過ぎた頃から、妻の体調が悪くなり、「視線を感じる。」と怯えるようになった。
やはり、いわく付きなのだろうか?
家が立つ前は何だったのか隣りのおばさんに聞いてみると、「ああ、うちの畑だったのよ~。うちの主人がいなくなってからは、手入れも出来ないし、手放しちゃったんだけどね~。」おばさんは少し寂しそうにそう言った。
そういえば、おばさんの家族が出入りしている所は見ないな。寂しいから、色々とうちに世話を焼いてくれるのだろう。
日曜日、相変わらず具合の悪い妻に変わり、子どもと遊んでやろうと庭に出た。
以前の住人も子持ちだったのか、小さな砂場がある。そこで砂遊びをさせていると、砂の中から真新しいクマのぬいぐるみが出てきた。
子どもが埋めたのか?手に取ろうとして違和感を感じ、慌てて手を離した。
胴体の部分が赤い糸で縫い直されており、びっちりと針が埋め込まれていた。
先に子どもが触っていたら…ゾッとして警察を呼んだ。
庭で必死に説明したが、あまり真剣に取り合ってもらえなかった。「この2、3年、よくそういうイタズラは聞くんですけどね。」
そんなやり取りをしていると、隣りのおばさんがひょっこり顔を出した。
「どうしたの?」
「気味悪い人形が庭に埋めてあったんです。悪意があるとしか思えません。」
「怖いわね~。それでお子さんは?」
「え?」
「怪我とかは大丈夫だったの?」
俺は明日にでも引っ越すことを決めた。
【解説】
気味悪い人形が庭に埋めてあったとしか聞いていないお隣さんが、なぜ子供の怪我の心配をしたのだろうか。
妻の体調に関しても、謎の“おこげ”による何らかの仕込みがあったのかもしれない。
オバケ
オバケって本当にいるとおもいます。
小さいころ、わたしにはお姉ちゃんが見えていました。
同じきたない服をきて、いっしょに住んでいました。
でもある日お姉ちゃんは見えなくなりました。
パパと、ママが宝くじをあてました。
びんぼうだったから、そんなはくちゅうむを見たのだと言われました。
今はとってもしあわせです。
でもそろそろ宝くじのお金がなくなっちゃいそうです。
【解説】
“宝くじを当てた”とされるお金は、姉の臓器や、あるいは姉本人を売ることで手に入れた。
お金が尽きてしまうと、今度は妹が標的になるかもしれない。
時計
遂に大学一の美人女性とデートの約束をとりつけた。
明日の12時に喫茶店で待ち合わせとあって興奮のあまりろくに眠れなかった。
そして当日、目覚まし時計を見ると「65時21分?」
まだ夢を見てるなと寝っ転がったとき、真実に気付き、絶叫した。
【解説】
彼は仰向けの状態で、あるいは逆さになったデジタル時計を見たようだ。
65:21をデジタル化して逆さまに読むと、12時59分となる。
肉
どっかで聞いた話なんだけど。
なんか友人から聞いたらしい話で、
宗教入ってる知人の家族と夕食とることになったんだと。
それが焼肉なんだけど肉は何なのか言ってくれない。
人の肉かも、と思って食べたら違ったって。
結局何の肉だったんだろ?
【解説】
友人はなぜ正体不明の肉にも関わらず「人の肉ではない」と判断できたのだろうか?
つまり友人は過去に人の肉を食べたことがあり、その味を覚えているということになる。
カギ
仕事を早めに切り上げて帰ることにした。
今朝、寝坊してしまって慌てて家を出る時に、どうにも玄関の鍵を締め忘れたように思うのだ。電車に飛び乗ってから、ふと不安が頭をもたげて、一日ずっと心配だった。
独り暮らしはこういう時に困る。取られるような金目のものなどない貧乏住まいとはいえ。
アパートに帰り、玄関のドアノブを回す。ガチャ。……鍵はちゃんとかかっていた。
ま、そんなものだ。一安心して鍵を開け、部屋に入って灯りをつける。
私はすぐ、「それ」に気づいた。座卓の上に、見覚えのない黒い紙袋が載っている。
なんだこれ。私が買ったものじゃない。ぞわっ、とする。
部屋の掃き出し窓に目をやる。窓にはちゃんと鍵がかかっている。
え? え? と思っていると、ズボンのポケットの中でLINEの通知音がした。
半ば無意識にスマホを手に取ると、友人からのメッセージだった。
「今、借りてた漫画返しに来たんだけど、いなかったから置いてきたよ」「コンビニでも行ってるの?」「鍵は開いてるし電気はつけっぱなしだし、不用心だから気をつけなよ」
紙袋の中を覗くと、確かにその子に貸していた漫画が入っていた。
なーんだ、びっくりした。
【解説】
友人が来た時点では鍵は開けっぱなしだったにも関わらず、語り手が帰宅したときは鍵が閉まっていた。
つまり中に誰かいる。
イタズラ目的か何かで友人が潜んでいるのか、それとも友人が帰った後に誰かが入ってきたのか…。
瓜二つ
ある産婦人科で赤ん坊が生まれた。
その夜看護婦が赤ん坊の様子を見てみると、
なんと赤ん坊は○んでいた。
病院は事実を隠蔽するため、すぐに身寄りのない赤ん坊を身代わりに用意した。
出産のとき母親は意識がなく、自分が産んだ赤ん坊をまだ見てはいない。
そして見た目が瓜二つな赤ん坊を選んだため、見破られることはないはずだった。
次の日、母親は赤ん坊と対面するなり鬼の様な形相で叫んだ。
「こいつは私の赤ちゃんじゃない!!」
【解説】
一見、自分の赤ん坊かどうかを見抜くことが出来る愛情深い母親に見える。
しかし母親は出産の際意識を失っており、赤ん坊の姿を見ていない。更に見た目まで酷似しているとなると、それを見破ることは到底困難なはずだ。
にも関わらず「自分の子じゃない」と断言できたのは、この母親が自分の子はもうこの世にいない事を知っているため。
つまり、この母親こそが赤ん坊の命を奪った犯人だからである。
あるいは、父親と共謀しているという説もある。
いろんな方法
俺の人生ってなんなんだろう…。
結婚を考えていた彼女にはフラれ、就活は全滅、バイトもクビに、友達だっていない。
顔もぶさいくだし、生きていく意味なんてない。
俺は、この糞みたいな人生に終止符を打ちたくて、自○を考えていた。
パソコンで、自○について調べると結構色々出てきた。
色んな方法があるんだなぁ。どれが一番いいのだろうか。
成功者の体験談とか読んでると結構手順とか様子がリアルで怖くなってきた…。
【解説】
成功しているのであれば、体験談を記すことなど出来ないはずだが…。
本当は失敗したのか、それともこの世にいない何者かが残しているのか…。
電車
私は仕事の時はいつも電車に乗っている。
今日も電車に乗っていると、突然目の前に女性が現れた。
ああ、またか。気が滅入ってしまう
【解説】
この人物は運転手として電車に乗っている。
そしてこの女性は、ホーム等からの飛び込みを図ったと思われる。
一人暮らし
反対していた両親を押し切って、今日から一人暮らし。
一人で起き、朝食を食べ、ゴミを出して支度を整えた。
憧れの一人暮らしを実現できたことで私は満ち足りていた。
家に鍵をかけ、毎朝花に水をやっている近所のお婆さんに挨拶をして、私は学校に向かった。
【解説】
今日から一人暮らしをするにも関わらず、“毎朝”水をやっている近所のお婆さんへ挨拶をした、という一文から、
一人暮らしを始める前と後とで住所は変わっていない、ということがうかがえる。
にも関わらず家族暮らしから1人暮らしへと変わっている。
つまりこの語り手は、反対をしていた家族を物理的に排除したものと思われる。
単に家から追い出したのか、それとも…。
父さん
今日は父さんが帰ってくる日だ。
父さんは船乗りで家にあまりいないから、帰ってくるときはすごくうれしい。
にこにこ顔の父さんを久しぶりに見ると、僕も弟もつられてにこにこ笑ってしまう。
母さんもとても楽しそうで、父さんのいる間はテーブルにごちそうがいっぱい並ぶ。
お休みが終わるころ、父さんは僕と弟をかわるがわる抱っこすると、「大きくなるんだぞ!」と言って、また船の旅に出る。
僕も弟も、父さんに会えるのがとても楽しみなんだ。
哀しい知らせが入った。
父さんの乗っていた船が沈んで、父さんは二度と家に帰れなくなったという。
僕と弟は泣いた。
父さんがいない間だけだから、我慢できたのに。
最悪なことに、今日から僕らは夏休みだ。
僕と弟は、もう秋を迎えることはできないだろう。
【解説】
育児放棄をしている母親。
夫のことが好きなため、その間だけはご飯をテーブルに並べるが、
夫がいない間はご飯を用意していない。
子供たちは、学校の給食や、父親が帰ってきた日のご飯で飢えを凌いでいるが、
父親が帰らぬ人となり、夏休みに入り学校の給食も食べれなくなることで、
絶望の事態となった。
廃墟の壁
俺が小学生の頃の話。
俺が住んでいた町に廃墟があった。
2階建てのアパートみたいな建物で、壁がコンクリートでできていた。
ガラスがほとんど割れていて、壁も汚れてボロボロだったから、
地元の人間でも、あまりこの場所に近づくことはなかったらしい。
ある日俺は、友人と肝試しをすることになって、この廃墟に行くことにした。
まだ昼ぐらいだったから、建物の2階まで上がって建物を探索した。
そしたら並んでいる扉のひとつに、文字が書いてあるものがあった。
友人と近づいて確認してみると、扉の前に
「わたしは このさきの へやに いるよ」
と書いてあった。
俺と友人は扉を開けて中に入り、先に進むことにした。
歩いて行くと分かれ道に突き当たって、壁に
「わたしは ひだり に いるよ」
と書いてあった。
少し怖くなったけれど、俺と友人はそのまま左に進むことにした。
すると両側に部屋があるところに突き当たって、壁に
「あたまは ひだり からだは みぎ」
と書いてあった。
友人はこれを見た瞬間に、半狂乱になって逃げだした。
でも俺はその場所にとどまって、勇気を出して右の部屋に行くことにした。
部屋に入り進んでいくと、突き当たりの壁に
「わたしの からだは このしたにいるよ」
と書いてあった。
下を見ると
「ひだりの へやから わたしの あたまが きてるよ うしろ みないでね」
俺は急いで、その部屋の窓から飛び降りて逃げた。
それからはもう、その場所には近づいていない。
【解説】
基本的にメッセージは廃墟の壁に「書いてあった」とされているが、
最後のメッセージに関しては、廃墟の壁には書いてはいなかったようだ。
“わたしのからだ”があるとされる下から声が聞こえてきたのか、それとも“わたしのからだ”に書いてあったのか…。
ベッド
私は13才の中学生
三つ上のお姉ちゃんとは部屋を共用していてとても仲良し
一つしかないベッドを私に譲ってくれるとても優しいお姉ちゃん
今日もいつものように寝る前に二人で仲良くトランプしたあと二人同時に就寝
私はベッド、お姉ちゃんは床にひいた布団
わたしは30分も経たないうちに眠りについた。
何時間経ったあとのことだったのだろうか
「ねぇ、起きて」 寝ぼけ半分で目をあけるとおねえちゃんが小声で囁いている。
どうやら寝付けないらしく、一緒に散歩に行かないかと言っている。
私は眠かったのもあり「一人で行ってきなよ」と冷たく押し返したが、
やけにしつこいお姉ちゃん。
終いには乗り気でない私に郷を煮やしたのか私の手を掴み靴も履かず外に引っ張り出された。
「イタイ!」
私の叫びも耳に入らないのか私の手を強く掴んだまま何も言わずただ引っ張る。
「ねぇ!どうしたの?!」
お姉ちゃんは黙っている。よく見ると手は小刻みに震えていた。
家からしばらく離れたところでお姉ちゃんも少し落ち着いてきたのか、掴んだ手が少し緩んだのを感じ
もう一度問いただしてみた。
「何があったの??」
お姉ちゃんは唇を震わせ言った
「やっぱりあんた気づいてなかったのね…」
【解説】
ベッドと布団の高低差がポイント。
ベッドで寝る妹には見えないのに、布団で寝る姉には見える場所が1箇所ある。
そしてこの姉の焦り様、
つまりベッドの下に誰かいる。
遭難
私は世界中を船で旅している。
有名な危険海域を航行中、船が難破し私は暗い海に放り出された。
島に流れ着き、どうにか助かったが、一体どうなってしまうのか。
何かないかと探すため歩き始めると遠目に看板のようなものを発見。
近づいてみると、文字が書いてある。
「危険」「罠あり」
目を凝らして見ると、看板の近くに錆びついたトラバサミが設置してある。
看板を頼りに、罠を避け慎重に進む。
途中、突然蛇が現れて飛び退いたが、よくよく見れば風に吹かれたツタだった。
一本だけ場違いに転がっている。
降り積もった落ち葉の上にちょこんと。
さらに進むと小屋を発見した。
小屋の隣には棒切れがいくつも突き刺さっている。
中には一人の痩せこけた男が座っていた。
男はこちらを見て驚いたような顔で呆けている。
だがその瞳は輝いていた。
私は男に語りかけた。
「あなたも遭難者ですか?」
男はそうだと答えた。
男にいくつか質問してみたが、すぐに後悔した。
この島には他に誰もおらず、動物や虫さえ見たことがない。
生息していないと言う。
食料は底をついたし、植物も食べつくしたと答えたからだ。
今度は男が私に語りかけてきた。
ここに来るまでに何かなかったか? と言った。
「何もありませんでしたし、何も持っていません」
私がそう答えると男はそうか、残念だとつぶやいてうなだれた。
男の手には湿り気のある泥がついていた。さっきの罠は彼が仕掛けたのか。
獲物がかかるのを期待していたに違いない。
男はこちらをじっと見ていた。
私に向けられた視線は熱く、その瞳は輝いていた。
私はもう一つ質問した。
「どれくらいここにいるのです?」
男はもう忘れてしまったと答えた。
【解説】
どれほどの期間いるか忘れてしまうほどに長く島にいる彼だが、その間動物を見たことがない。
にも関わらず、“さっき”罠を仕掛けた、という事実。つまり動物の捕獲に期待して仕掛けた罠ではないことは想像がつく。
さらに遭難者である語り手を見つめる期待の瞳、
つまり彼は語り手を…。
「危険」の看板はおそらく他の遭難者が立てたものだろう。
小屋の隣に刺さっている棒きれはもしかすると、人間の…。
メール
今日メールが4通来た
1通目は俺の母親からで、姉が子供を産んだそうだ。
「明日病院に見に行く」と返信した。
2通目は父親からで、今週の日曜は帰って来るのか聞いてきた。
「仕事が忙しくて無理っぽい」と、返信した。
3通目は女友達?からだ、電話に出ないから心配していた。
「熱が出てフラフラ、お腹空いたけど動けない・・・」と、返信してみた。
すると4通目が来た。仕事が終わったら、お見舞いにケーキを買って来てくれるそうだ。
それなら掃除は明日一緒にやろう、忙しくなりそうだし、
赤ちゃんを見に行けそうにないな。
【解説】
語り手は、誰かの部屋に忍び込みその命を奪い、掃除をしている最中。
そして1通目のメールだけが語り手に送られたもので、
2通目〜4通目は全てその部屋の住人あてに送られたもの。
そのため1通目のメールでは「“俺の”母親から」となっているのに
2通目のメールは「父親から」と“俺の”が付いていなかったり、
3通目のメールに関しては「女友達?から」と、相手が何者なのかも把握出来ていない様子だ。
4通目のメールはどうやら2通目のメールへの返信を受け取った父親が送ってきたもので、
それを見た語り手は「それなら掃除は明日一緒にやろう、忙しくなりそうだし」と考えている。
一見誰かと一緒に掃除をやる、という風に受け取れるが、
この場合はおそらくもう一つの受け取り方だろう。
つまり、住人だけでなく、部屋にやってきた住人の父親の命も奪い、
その後2人まとめて処理する=一緒に掃除をやってしまおう、という意味である。
飲み会
ある夜俺は友達のアパートで飲み会をしていた。
夜の二時を過ぎた頃、俺の携帯電話が鳴った。
友人のAからだった。
「悪いんだけどもう少し静かにしてくれない?俺朝一でバイトあるから寝ないといけないんだ。」
「あ!ごめん、静かにするわ盛り上がっちゃて。」
Aからの苦情を一緒に飲んでいる友人たちに伝え、
声を小さくして話す事にした。
しかし20分後また携帯電話が鳴った。
またAからだった。
「いい加減にしてくれよ、夜中に何やってるの?台所とか風呂の方から凄い音するよ!」
「…おかしいな、悪い。」
電話を切った。
その時、一緒に飲んでいた友人の一人が俺を見て言った。
「あれ…、Aが住んでるのってお前の部屋の隣じゃなかったっけ?」
【解説】
Aが住んでいるのは語り手の部屋の隣、その部屋の台所や風呂場から物凄い音が聞こえる、と迷惑がっている。
しかし語り手が飲み会をしているのは、語り手自身の部屋ではなく友達のアパートである。
では語り手の部屋の、台所や風呂場で音を放っている者とは…。
指をさす
俺の息子は、時々、(写真でも、画像でも)人の顔をじっと指さすという、妙な癖があった。
指をさされた人物が必ず3日以内に○ぬ、と言うことを知ったのは、つい最近のことだ。
今日も、テレビをつけようとしたとき、息子は、じっと画面を指さしていた。
点いたテレビには、大物議員の姿が。
へえ、こいつも○ぬのか。
【解説】
息子が指をさしたのはテレビが点く前の状態、つまりテレビの画面に映った父親(語り手)、または息子本人である。
手鏡
うちの地方では
2時22分22秒に鏡を見ると
自分の死に顔が見れるという話があるんだ
俺は試してみた
恐る恐る小さな手鏡で見たわけよ
でも何も映ってない
おや、と思って目を鏡に近づけたが映ってるのは後ろの壁だけ
やっぱり噂なんてでたらめだらけ
びびって損したぜ
【解説】
なにも映っていない。本来映っているはずの語り手の顔すらも。
雪山
雪山で遭難したあるグループの話
A「だから俺は反対したんだ!」
B「今更そんなコト言ってもしかたないだろう!」
D「うるせーぞ!」
E「落ち着け、喧嘩しても腹が減るだけだ」
F「また食料も付きかけてるんだ・・・焦るのも分かるが」
G「ガクガクブルブル・・・」
【解説】
A〜Gまでが順番に書かれているのにCだけは描写がない。
また食糧不足の危機にメンバーが怯えている。
つまり、焦っている理由は単に飢餓に襲われるから、というだけでなく
その飢餓を凌ぐためにメンバーの誰かを…
「食べなければならない」ストレス、「食べられるかもしれない」ストレス、この両方に襲われているものと思われる。
窓ガラス
俺が今一人暮らししているアパートは小学校の通学路に面しているせいか
しょっちゅう悪ガキたちのいたずらを受ける
今日もバイトから帰ってくると、外の寒さで曇った窓ガラスに
指でなぞった跡が無数についてた
まったくしょうがない奴らだ
【解説】
寒い日に曇るのは室内。
そして指でなぞった無数の跡がある、ということは家の中に…。
不在票
社会人一年目。出版社に勤めるどこにでもいる普通のOLの私。
最近の悩みは仕事が超忙しいこと!
忙しすぎていつも帰りは深夜だし、そのせいで通販の荷物も受け取れない。
ほら、今日も帰ると、リビングの机に不在票が置いてある。
夜七時に配達するように私が指定したのに留守にしてたなんて。宅配のおじさん怒っただろうなぁ。
まぁ、明日また受けとればいいか。
【解説】
おそらく宅配のおじさんは郵便受け等に不在票を入れたのだろう。ではその不在票を、家の中に持ち込みリビングに置いたのは誰なのだろうか。
地下室
あるところに親の言うことをよく聞く少女がいました。
少女は親から「決して地下室の戸を空けてはいけないよ。」と言いつけられていました。
しかしある日、親が家を留守にしたとき
少女の好奇心が膨れ上がり、迷った末少女は地下室の戸をあけてしまったのです。
そこで少女が見たものは、明るい世界でした。
【解説】
少女は家族から地下に幽閉され、そこが地上だと刷り込まれていた。
地下室の戸は実は地上への戸であり、明るい世界は太陽の光さしこむ地上の空間。
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