【灼熱カバディ】全キャラに触れる感想・英峰高校編【神畑樹/君嶋拓/八代一馬/若菜剛】

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主人公の脳筋と戦い、
ライバルの紅葉と戦い、
ラスボスの星海と戦った、
作中でも屈指の試合数と、バラエティに富んだストーリーを描かれた「英峰高校」について書く回です。

英峰高校

神畑

超常的な選手。あの時点の世界組では、不破に次ぐナンバー2。
ずばぬけた長身。長い手足の精密なコントロール。
故に、得意技は(長い手足による)ボーナス。
ストイックさ。全国制覇、及び不破への執念。
減量による負荷により、精神が研ぎ澄まされ、ある種のゾーン状態に突入する。
その一方で、体力的な消耗は大きく、長続きしない。

必要な部分を残しながら削っては、また身につけるという作業を繰り返す中で、
僅かな燃料を大きく燃やす力に秀でるようになった。
頭脳も明晰。

デカいからヤバいのではなく、
ヤバいやつが更にデカい。それが神畑。

圧倒的な安定感が強みを持つ不破と比べると、消耗する分ムラが激しい印象はある。
紅葉戦でも途中で意識が朦朧としていたり、
星海戦でも途中退場する結果になったり。

それもそのはず、良くあの体重制限の中でこの超高身長が戦い続けたと思う。
もはや汗や唾液すら分泌されないほどの搾り方。
試合中に朦朧とするのも仕方ない。

命を燃やす戦い方
こういう選手は恐らく、漫画でも現実でも、居るだけで大きな魅力を放つ。

私は神畑が好きである。
でも、単に「強いところ」が好きなわけではない。
不破への執着だったり、
英峰のメンバーに向ける優しい目線だったり、
一年の時の部活勧誘の時の一生懸命な感じだったり、
合宿の時の関くんとのやり取りだったり……

人間性の部分に惹かれているのだと思う。

地味に好きなシーンは、
奇襲を仕掛けてきた志場ちゃんを「後輩たちの良き敵となってくれ」と単独で攻略したシーン。
完全に実力差をわからせる演出

あの時点での志場ちゃんはまだ実力の全てを描かれておらず、
キャラとしての格を考えれば他のキャラを「かませ」にしても良い筈なのに。

あのシーンのおかげで、
神畑は「不破以外とは隔絶した力の差がある」ことを描写出来た上で、
作者への信頼が深まった。

これに関しては「たられば」なのだけど、
「神畑入りの英峰」と脳筋の戦いも見てみたかったなぁと思う。
神畑と宵越のバック対決や、
神畑と関くんの対決、
そして神畑と王城の世界組対決など、
見てないのに名シーンが浮かぶ。

単に実力だけでない。
神畑樹は、本当に、色々な意味で「良い選手」だった。

八代一馬

高身長。
物腰穏やかな姿勢。
常に冷静な思考。
相手を動かした上で、そこを刺す「後の先」。

星海からすると、「大人しい神畑。劣化版」との評価。
しかし、自分の血へのコンプレックスから感情的な闘い方をすることもある。
若菜と共に、英峰の牙になり得る存在

丁寧な振る舞いをすることが「戦い」というのが面白い設定だなと思いました。

八代と君嶋は守備の軸、
もっと「正攻法的な脅威」として描かれているのも見たかったな。

君嶋拓

高身長。
比較的軽いノリ。感情を表に出しやすい。
神畑や後輩たちへの気遣いの声かけが多く、英峰の精神的な柱の一つ。
かつ、他人の気持ちによりそい、共感する力に秀でる。

親が医者で、平良にありがたがられた。

「部活で頑張りすぎないのがベスト」。
良い音楽、美味い飯、良い家族を養える道を求めている。

神畑の願望を成就するため、脳筋戦では「どんなことをしてでも」勝とうと、故障狙いでラフプレーに走る

なお、神畑はコートに立てなかったが、
神畑の「靴」を履いた宵越がコートに立つことで、君嶋の意識は完全に揺らいだ。

君嶋の故障狙いに関しては色々と意見はあると思うけど、私はあんまり好きでは無い。

仮に君嶋が「自分自身のために」ラフプレーをするんだったらわかる。

でも、「神畑のために」「チームのために」ラフプレーをしている君嶋に対しては、

例え「友人のため」という理由があったとしても、「ラフプレーの動機に、友人の存在を使うなよ」という感情が勝ってしまう。

「神畑のために」チームメイトがラフプレーをしている様子を皆がどう受け取るか、
あるいは実際それで脳筋の選手を故障に追い込んで勝ったとして、そんな「因縁付き」の勝ち方に神畑達を巻き込んでしまっていいのか、

という辺りまで考えられないのは、やっぱり独りよがりだと言わざるを得ない。

結果的に誰も故障せず、脳筋も、神畑も、君嶋も救われた形となった。
ただ、ここに関しても結果論的な側面が大きい。
下手すると選手生命にすら関わるような行為である事は確かで。

だから236話で「なんて楽なんだ」と解放された様子の君嶋は、正直あんまり好きじゃない。

なお脳筋戦までの君嶋は、八代と比べると目立つ機会も一段〜二段少なかったため、
もうちょっとくらい強キャラ感ある演出があっても良かったなぁとは思った。

共感力という武器があるなら、その片鱗をもうちょっと前の段階で見せてくれても良かったかもしれない。

若菜剛

スピード特化。
シャッフルレイドという「留まらない故に捕まりにくい」「フェイントに長ける」動きを武器とする。
疲労状態に陥っても、それを利用した緩急で相手を撹乱。

強敵相手には、表伯で移動しながら裏伯で攻撃をすることで、相手のリズムを狂わせるという行動も。
あるいは、裏伯に対応してきた相手にあえて表伯で攻撃するという駆け引きもできる。

守備でも、パワーはないが、スピードによる特攻を何度も繰り返すことで攻撃手を消耗させる。

後輩らしい言動が目立つ彼だが、合宿では人見にアドバイスを送り、
彼女が一皮剥けるのに一役買った

また、英峰の中でも特に「悔しい」という感情を表出する。その執念を見た神畑により、スタメンに抜擢される。

脳筋戦では、君嶋のラフプレーに隠れて70点程の大量得点を重ねる。
星海戦からの連戦にも関わらず、凄まじいスタミナ。

神畑抜きの英峰が、最初から正攻法で脳筋と戦っていたら?

途中経過はともかく、やっぱり最終的には脳筋が勝っていたと思う。
もちろん英峰の守備は素晴らしい。だけれど不破の言っていた通り、神畑不在の影響はかなり大きい。
神畑を除けば、世界組級の活躍を見込めるのは攻撃時の若菜くらい。

若菜さえコートから追い出してしまえば、八代や君嶋がいるとはいえ英峰が得点力不足に悩まされるのは必至。
王城と宵越という、世界組クラスの攻撃手を2枚も持つ脳筋側に分があるものと思われる。

事実、君嶋がラフプレーに走る前の時点では、
王城を温存した脳筋(宵越)と、英峰(若菜)で一進一退の攻防だった。

序盤の男・宵越に対し、英峰の守備も徐々に慣れていくだろうが、
それでも新品の王城が残っているのと、宵越のスペックの高さ、英峰側の若菜依存などを考慮すると、
脳筋が競り勝っていただろう

一方で、もし神畑がいたら脳筋はかなり危なかったと思う。
神畑が居る以上君嶋が闇堕ちすることもないため、守備は高校最高レベルを維持

攻撃面に関しても、
星海戦で若菜も覚醒しているし、
神畑+若菜の二刀を止め切れるほどの守備力は脳筋にはない。

その上神畑がもし「ゾーン状態」にでも入れば……
脳筋も強くなったけれど、それを凌駕するほど神畑入りの英峰も強い。

まあ、こうした事情を色々勘案した上で神畑は「星海戦に全てを出し切る」道を選択したわけだから、
野暮な「たられば」ではある。

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