今回こそ奏和……
奏和高校!!
六弦
圧倒的パワーと、磨き上げたテクニック。
人を倒した経験がずば抜けており、同じパワー型同士の戦いでも不利を取ることはない。
攻防に優れ、それ故に中学の世界組の中でも数少ないスタメン確約組。(他は不破と神畑のみ)
特に守備は、個人最強と言われるほどの安定感を誇る。
そして最強と言われる所以は、守備における圧倒的な成功率(80%近く)。
世界レベルの久能に次ぐ数字である。
六弦が掴む=相手攻撃手の死。
宵越レベルが相手でも指「だけ」で倒してしまう。
「才能を持たないにも関わらず、努力や工夫で攻撃手最強であり続ける王城」へ強い執着を持つ一方で、
自分が関心を寄せない相手は名前すら覚えていないということもある。オージョーノユージン。
なお、作品が進むにつれてその理由が明かされた。
天才であることは確かなのだろうけど、
圧倒的な描写はそこまで無かったのが気になる点。
もっと守備で暴れて欲しかったな。特に紅葉戦。
総合力的には不破や高畑に次ぐ存在だと思うので、
もっと試合を支配していい気はする。
佐倉や王城、宵越とは一進一退の攻防をして、
それ以外の選手に対しては基本一撃で仕留めるような……そんなずば抜けた存在感を期待した。
守備成功率80%ともなると、それくらいの描写でも納得。
ただ、六弦がメインになり過ぎると試合が守備的になることで、「漫画的に映える」描写がしづらくなるか。
スペックが高い選手であることは確か。
奏和部員との繋がりや、
王城とのライバル関係然り、
大変魅力あるキャラだと思います。
高谷
長いリーチ、そしてスピード。
更には敏感な聴覚、高い守備能力も備える。
大人数に掴まれても、それを「波」と捉え逆らわず、緩急をつけて振り払う技術も持つ。
サボりたがりな面もあるが、
一方でライバル登場に燃えて自発的に練習をすることもある。
また、本番前は爪や毛を毎回処理するほど、自分の状態は徹底して仕上げる。
「自分はもう完成している」と自負しているからこそ、自分のコンディションを整えることに全力を注ぐ。
トップを経験してるからこそのメンタリティ。
この辺りのプロフェッショナルさは、恐らく不破にも通ずるところがある。
相手の力に合わせるという悪癖。
しかし、気分が乗ってくると「相手チーム全体」の実力に合わせるという芸当も。
得意分野は帰陣能力と、苦しくなってからの「水中戦」。
お互いに体力を消耗した状態こそが、高谷の真骨頂。
苦しくなるほど得点率が上昇する、驚異的な存在。
一年時に、英峰から30得点をもぎ取るという凄まじい記録を残しており、
神畑から「間違いなく頂点の器」と語られている。
自分のために、カバディを遊び尽くす選手。
……だが、なんだかんだ奏和の面々のために試合に勝ちたかったと自覚するシーンもある。
宵越と近いプレースタイルであり、
他競技からの転校組という共通項もあり、
宵越にとって初めて対戦した相手でもあることから、
非常に因縁深い。
宵越のライバル枠筆頭だろう。
何より人格面での魅力。
奏和戦が人気なのは試合展開の素晴らしさもあるが、
「脳筋に勝ってほしい…けど、奏和の試合が見れなくなるのも嫌だな…」と思わせるほど、
奏和の各選手が魅力的だという事情もあると思う。
高谷は非常に「生きた」キャラだと思う。
作者もこのキャラを動かすのが楽しかったのでは。勝手に動いていた可能性すらある。
高谷に関わる名場面は多い。
紅葉戦での「高谷の攻撃時間確保のため」の押し返しや、
脳筋戦での水中戦への招待、
最後の自己申告、
「奏和の誇り」発言、
宵越との強制握手など、
熱くて泣ける場面はいくつもある。
爪を手入れしていたからこそ、最後畦道に届かなかった……のだけど、
でもそもそも、爪を手入れするほどストイックに自分のコンディションにこだわったからこそ、高谷はあそこまで強くなれた。
自分の状態にこだわらず爪を伸ばすような高谷なら、そもそも延長戦にまで持ち込めてない可能性は高い。
本当に良いキャラだった。
高谷も奏和戦も、現在行われている人気投票で上位にランクインするのは確実だろう。
灼熱カバディという作品の序盤〜中盤を、大いに牽引した存在だと思う。
木崎
「長く続けていれば自動的に上手くなる」と思って、
「2年になれば」「3年になれば」と部活動をマラソンみたいに続けてきた男。
他のメンバーと比べて、才能や因縁があってやっているわけではない。
カバディ部に入ったのも、「かっちょいい身体になれたら」という動機。
至って普通の、男子高校生的感覚を持つ。
それでも、積んできた努力は裏切らない。
強豪・奏和のスタメンで「4」を勝ち取るほどの実力。
凡人枠だから読者と同じ視点で物を話してくれるけど、
でも奏和の「4」は冷静に考えてヤバい。
凡人として共感しつつも、
やっぱり敬意を覚える対象である。
植野
回想にてほぼ毎回何かしら故障している男。
木崎同様「積んで」きている存在で、
度重なる故障を乗り越えているという点ではかなりハードな選手人生だと思う。
いつか穏やかな健康を手に入れられることを願いたい。
名もなき選手
同期の木崎や植野と切磋琢磨しながら練習を積んできた。
最後の大会には、残念ながら怪我で出場機会がないようだ。
最後まで名前が明かされないのがニクき演出。
漫画的に名前が明かされない、いわゆる「モブキャラ」にも、選手としての人生があるのだ……ということを改めて教えてくれる存在。
榮倉
同学年の高谷とは違い凡人側。
マイペースな振る舞いをする高谷にたびたび苦言を呈しているが、
しかし高谷の実力は認めている。
紅葉戦及び能京戦にて、高谷の攻撃時間確保のため、押し返しに全力を注ぐ場面は名シーン。
彼自身を大きく掘り下げられたことはない……が、彼の言動から人となりや背景が読み取れるような、そこに魅力がある。
凡人として、出来ることを徹底してやる。
片桐
本編で触れられた彼の才能は「練習量」と「怪我をしない事」。
つまりは圧倒的フィジカル。
これは六弦にも張るレベル。
テクニックはないが、
自分の決めたことを無心でやり切る「決め打ち」により、佐倉の予想を外れた動きを見せることも。
何事もスマートにこなす天才達への怒り、
一方で何事も不器用にしかできない自分への怒りを原動力とする。
メンタルが乱れやすいプレイヤー。
だが、片桐がメンタルを乱しても、彼の日頃の努力を見続けてきた奏和の選手達はかえって奮起し、
それを見た片桐も「ふがいない所は見せられない」と集中を取り戻す。
こういう「物語に途中参加」のキャラは悪い意味でノイズになる事が多かったりするのだが、
片桐はばっちり馴染んだと思う。
脳筋・紅葉・奏和の中でも、読者が特に応援したい選手になったのではないだろうか。
一般的な学生としての側面が強い木崎と違い、
こちらはもっと不器用で無骨。
「凡人」としての苦悩もある。
共感しつつ、感情移入して見ざるを得ない。
緒方
奏和の頭脳。
的確な予測で、試合展開を予知・対策していく。
パワーやスピードはないが、思考を読む力と、自分の経験に基づき、
プレイヤーとしても活躍する。
片桐の推し進めた非効率な練習を正しいとは思わない立場だが、
それでも彼のひたむきに努力する姿勢そのものは認めており、「部員の憧れ」だと言う。
正直好き嫌いが分かれるキャラだと思う。
慇懃無礼にも感じる生意気さが、「魅力」に映るかどうかで評価が分かれそうなキャラ。
スペックは凡人、頭脳は優秀、
恐らく井浦的な成長を果たしていくのでは。
今後三年の六弦らが抜ける穴を、頭脳でどうにか埋めようとするに違いない。
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