- 1組目:「ROCK & FANCY」ガラスの靴が割れた(九州沖縄代表)
- 2組目:「しゃべくり昇流魚」神風出世魚(近畿第2代表)
- 3組目:「ダークサイドからの下剋上」いわしつよし(中国・四国代表)
- 4組目:「負けない悪童」ぶるーたす(東海北陸甲信越代表)
- 5組目:「個性の三種盛り」特盛り牛丼大盛り(ワイルドカード)
- 6組目:「叫べ新生コワモテ漫才」シュプレヒコール(ワイルドカード)
- 7組目:「時代を切り裂く霹靂」ライジン(関東第1代表)
- 8組目:「平静と情熱の狭間」柴犬世界一周(近畿第1代表)
- 9組目:「止まらない夢の暴走列車」天頂片道切符(関東第2代表)
- 10組目:「全方位全力鉄拳制裁」絶唱サンドバッグ(北海道東北代表)
漫画内の順位予想は上記の記事でやった通り。
今回の記事では、
「もしこの10組がリアルのM-1決勝に出たら、どんな結果になりそうか?」を考えていく。
したがって、
「天頂片道切符は主人公だから、なんだかんだ優勝争いに絡むやろなぁ」的な、メタ考察は一切除外。
それぞれの実力とスタイル、キャラに基づき、
M-1でのウケ具合をガチ考察をする。
では一組ずつ見ていく。
ガラスの靴が割れた
正統派のコント漫才。
構成が上手いし、技術もある。
ただ、この手のオーソドックスな漫才師が優勝するには、他のコンビが失速するのが絶対条件。
なぜなら、M-1ではアクが強いコンビの方が有利だから。
厳密には、
点数で競うファーストラウンドはオーソドックスな漫才が有利で、
一人一票になる最終決戦は個性派コンビの方が有利。
一票しか入れられない都合上、
「審査員7人全員から90点取る漫才」よりも
「審査員7人中4人は85点だが、3人は95点の漫才」の方が優勝に近い。
本家M-1でも、
ファーストラウンドを通過した正統派漫才が、最終決戦でアクの強いコンビに負ける……
という展開は何度も見てきた。
以上の理由から、
ガラ靴もファーストラウンドは強いけど、最終決戦で涙を飲むケースは多いと思う。
神風出世魚
きつい。
ネタのクオリティが高くなく、スタイルにも真新しさはない。
何より、小道具と小手先で笑いを取るネタは、M-1では間違いなく減点される。
「関西弁×若さ」のスタイルは、上沼さんがいる頃だったら、一定の評価を貰えたかもしれない。
現行の審査員には誰にも刺さらなそう。
いわしつよし
変化球。
志らく師匠がいれば評価の対象になった可能性はある。
好き嫌いが分かれるスタイル故に、総合得点制であるファーストラウンドは不利。
いわしつよしに関しては、「動き&展開の少なさ」故にお客さんを退屈させてしまうという懸念も抱えている。
何より、意外と掛け合いが真っ当に進んでいく漫才なので、
「変化球過ぎる」感じもそこまでしない。
かといって「The・王道」という訳でもなく、
中途半端な印象。
「突出した何か」を搭載出来ないと、上位は厳しい。
ぶるーたす
オーソドックスなキャラ漫才。
アクの強さもあるし、毒もあるし、展開もある。
つまりはM-1受けしそうなスタイル。
作中では暫定ボックスに残れなかったが、
「本家M-1の優勝」という点に限って言えば、この10組の中なら優勝する可能性は高い方。
ただ、ちょっとネタが弱い。
ネタを詰めれば、優勝する可能性は全然ある。
特盛り牛丼大盛り
台風の目になる可能性は十分。
基本的に優勝は無いが、
2020のような荒れた年なら彼らが空気を持っていく可能性もある。
組体操を除けばまともな漫才なので、意外と「正統派好き」からの評価も貰えるかもしれない。
「唐突な組体操」で裏笑いをさらっていく感じは、敗者復活戦向きのように思えた。
多分予選の方がウケる組。
シュプレヒコール
上手い。
ただ、ガラ靴同様、このタイプの漫才師が優勝するには、他のコンビが失速するのが絶対条件。
キャラ寄りの漫才なのでキャッチーだし、
M-1受けする「伏線漫才」なので、変な順位にはならなそう。
ただ、他に同じ量の笑いを取れる個性派漫才師がいたら、優勝は絶対に出来ないと思う。
霜降り優勝以降は特に、どこか突き抜けたコンビでないと勝ちの目は無くなっている。
ライジン
(まだ本誌でネタが披露されていないのでわからない)
柴犬世界一周
(まだ本誌で本ネタが披露されていないのでわからない)
天頂片道切符
色々なスタイルを持っているところは和牛やパンクブーブーを彷彿とさせるし、上位に入ることもあると思う。
一方で、畦道の演技力不足・技術力不足がキツい。
ガラ靴やシュプレヒコールと比べて、技術力で明確に劣る。
これらが不足しているということはつまり、
ネタに入り込みづらくなり、相対的に見辛く感じてしまう、ということ。
「この人あんまり上手くないなぁ」
「あれ、今どういう状況?下手だからわかりにくい」
といったメタ的な事情にお客さんの意識が向く分、笑いに集中しづらくなる。
上手いコンビはそこが強い。
笑いにダイレクトに集中させられる。
絶唱サンドバッグ
(まだ本誌でネタが披露されていないのでわからない)
まとめ
↑優勝の可能性あり
特盛り牛丼大盛り
ぶるーたす
ガラ靴
シュプレヒコール
いわしつよし
神風出世魚
↓優勝の可能性なし
この「優勝の可能性」というのは、漫才師としての実力に、「M-1への適性」を加えた指標と思ってもらえれば。
ガラ靴と特盛りが10回M-1決勝で戦ったら、多分9回はガラ靴の方が順位は上だと思う。
ただ、1回は特盛りの方が上に行く年がある。
そしてそういう空気の年は、特盛りが一気に優勝までいく年。荒れた空気の年だ。
一方、ガラ靴は「惜しくも2位」「残念ながら4位で最終決戦進出ならず」を繰り返すと思う。
実力は高い。平均順位もずば抜ける。
ただ、優勝には至りにくい。シュプレヒコールも同様。
可能性がない訳ではない。
最終決戦で、自分たち以外の二組が奮わなかった場合に勝機があると思う。
ちなみに私が作中特に面白いと感じた漫才は、ガラ靴とシュプレヒコール。
特にガラ靴は完成されてた。
良いネタ。
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