最後のディグナムが格好良かった
・主人公級の人間があんなにあっさり死んでしまうのは衝撃。
そういう作品も確かにあるけど、こんなにあっさりと、しかもモブに近いキャラにやられるとは。
・全編緊張感を持って鑑賞した。
長い。けど面白かった。
・ラスト、犬を連れた婦人にコリンが避けられたシーン。
これは、女医が受け取った封筒の中に、コリンの真実が記されてあり、それを公表したことで、コリンの悪行が広く知れ渡ったから、という説がある。
しかし、もしそうなら、婦人が避ける程度の行動しかしないのは違和感。
マフィアの手先の疑いがある人間がそばに来たら、もっと過剰反応しないとおかしい。
何より、コリンが当たり前に生活できてるのはなぜ?
もし告発されたのなら、コリンに大量殺人の疑いが浮上する以上、
例えコリンが一旦は英雄として認められた人間だとしても、
ある程度は拘束されたり、見張りがついているのが自然。
「一人だけ生き残っている」というだけでも、怪しむ人はいるだろうに。
しかしどうやら、一人で自由に、普通に買い食いも出来ている。
つまり、彼の悪行は警察や世間には公表されていない、と見るのが妥当。
婦人が避けたのは、この後に起こる出来事の「凶兆」を示す演出ではないだろうか。
黒猫が目の前を通った、というのと同じ。
コリンは全てを手に入れようとして、全てを失った描写。
・最後、ディグナムが単騎でコリンを襲撃した理由は、ディグナムがマフィアのネズミだったから、という説がある。
しかしそれは考えにくい。根拠となる描写がないからだ。
それよりも、ディグナムは警察を辞めた後も独自に捜査を続け、コリンが怪しいことに気付いた…という方が妥当。
実際、「ネズミ」の事を知る人間の殆どが死に、生き残っているのはディグナム自身と、コリン……という所まで絞れているわけだから。
何より、コスティガンのデータが削除されていることをディグナムが知れば、そんな事をするのはコリンしか居ない、ということは容易にわかる。
したがって、正義のために、あるいは亡くなっていった人間の敵討のために、ディグナムは殺人をも厭わなかった、と見るのが妥当な気がする。
だが、もう一つ見方がある。コリンとあれこれ起こしてやめていったディグナムなので、私怨でヤった可能性も0では無い、ということだ。
それはそれで、ディグナムは警察を辞めてから堕ちるところまで堕ちた感じがして、救いが無くて良いかも知れない。
かたや自分は警察を辞めて、かたやコリンはマフィアを壊滅に追い込んだ英雄。
コリンがネズミだとわかったから襲撃したのでは無く、完全なる私怨で殺した可能性もある。
・ちなみに、女医の子供はコスティガン説が濃厚らしい。
そうなのか、という感じ。そもそもなんで浮気してんだ女医。
・コリンが、一旦はデータを消したコスティガンのことを潜入捜査員として認め、葬儀を行うところまで至ったのは、
コリンの良心の呵責か、あるいは同じ潜入捜査官としての憐憫か、それとも真実を知る女医へのアピールか、そのどれもか。
色々考える余地があるエンドだが、やっぱりコスティガンには生きてて欲しかったなぁ。
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