原作の小説は数年前に読んで、今回Amazonプライムにこの作品が出ていたので視聴。
ネタバレ注意!!!!!!
フィクション感
まずざっくりの感想は、「フィクション感が強い」。
作品のテーマの一つが「嘘」なので、あえてフィクション感を強くしているのかもしれませんが、好みは分かれそう。
フィクション感を強化する色々な要因
雪が降っていないのに「雪の山荘」と仮定する設定。
壁に文字が浮かび上がる演出(というか実際に浮かび上がってる)
「神の視点」を感じさせる、真上からの部屋割り視点、などなど。
とにかく、「嘘」「フィクション」を大いに意識させる演出が盛り込まれていました。
演技がかなり舞台寄り?
全体的な演技の傾向として、「映画」と言うよりも「舞台」という感じがしました。
この作品のテーマの一つが舞台役者さんということもあり、あえてそうしているのかもしれませんが、
舞台的な演技が「フィクション感」の強化に繋がっているように思いました。
更なるどんでん返しを期待した
主役の男性が、最後更なるどんでん返しで全員仕留める展開を期待しながら観ていました。
はい、実際はハッピー?エンドでした。
ただこのハッピー?エンドに関してですが、「自分の命を奪おうとした犯人と一緒に、仕事なんて出来るか?」
「自分が命を奪いたい程憎んでいた連中と、仕事なんてできるか?」とは思いました。
元々結構荒んだ会話をしてましたし、そんな綺麗に収まる連中なのか?
なんなら、あの「片想いをこじらせてる男性」と同じ職場で働くのめちゃくちゃ怖いですよね。急に部屋に押しかけて口塞いでくるし。
犯人が殺すほど憎むには動機不足では
「言うほど、あの三人を殺したくなるか?」とは思いました。
事件の原因を作ったとされる三人のうち、「電話をかけた女性」に対してはまあ、殺意を抱く動機は十分。
もう一人の「実家が太い女性」に関しても、「受け取りようによっては煽りかな」と思う言い方をしていたので、殺意を抱く動機はギリ十分。…正直殺すほどでは無い気もしますが。
ただ、「リーダーの男性」に関しては、むしろ大乱闘に巻き込まれた被害者なので。
しかもその時、犯人はこの男性に対して結構必死に謝ってるんですよね。つまり、この男性に対しては、あの時点で大した敵意を抱いてなかった筈。
そもそもこのリーダーの男性は事故の原因にも大して絡んでないですし、逆恨みにしても動機不足に感じました。
なんで主役は呼ばれたんだ
あの山荘でのオーディションそのものが犯人によって仕組まれたものだとしたら、なんで無関係の主役が呼ばれたんだ。
確かに無関係の人を呼びたい理由は、汲み取ろうと思えば汲み取ることはできます。「仲良しグループだけ招待しちゃうと、逆に怪しまれそう」とかね。
ただ、その理由が説明されてないのでマジで「なんで?」となりました。
実際、彼を呼んだせいで事件の全貌を解かれてるし。
まあ、結果的にハッピーエンド?になったので「終わり良ければ全て良し」なのですが、
あれだけの執念を抱えた犯人の割に、そこは適当なのか、と感じました。
もし「解かれなかった場合」、どうするつもりだったのか
主役の男性が事件を解き明かし、「三人は実は生きていたんです!」という展開になり、三人も表に出てきて謝罪して、全てが丸く収まりました。
じゃあ逆に、誰もこの事件の真相に辿り着けなかった場合、
「死んでるはずの三人」はその後の人生どうするつもりだったんでしょうか。
自分達が生きてる事を、犯人に知られるわけにはいきませんからね。知られた時点で殺される。
役者は辞めて、一生日陰暮らし?
顔や名前を変えて、遠いどこかに引っ越すのでしょうか。
あの山荘では「死んでるふり」で切り抜けられるかもしれませんが、その後どうするかが全く見えてこず、その辺りも気になりました。
面白かった所も沢山ある
色々触れてきましたが、面白かった所も沢山あります。
まず見せ方!新しく、挑戦的で良かったと思います。画面を飽きさせない工夫や緩急が素晴らしかったなぁと。
続いて、キャラクター!
本筋と直接関係のない、キャラ同士の会話は妙にリアルで良かったです。
ずっと居心地悪いと言うか。
全員共感できる所もあるし、嫌な所もある。総じて人間だなぁという感じ。
以上!
言いたいことは大体言った気がします。
ではまた!
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