今回はポックルと、彼の念能力:七色弓箭(レインボウ)について考えてみる。
それでは早速、ポックルというキャラを見ていこう。
ポックルについて
ハンター試験編から一貫して、ポックルは“同期のトップ層と比べると一段落ちる能力”として描かれてきた。
が、一方でハンター試験編における負け残りトーナメントの位置的に、ポックルはハンターとしての才能を比較的ネテロに買われていたことがわかる。
ハンター試験編のトーナメントとは
勝利したものはその時点でハンター試験合格となる。
アンバランスな形でのシードが形成されており、事前にハンターとしての資質が高いと考えられているものほど、“負けられる数”が多く設定されている。
ハンターとしての資質とは具体的に身体能力値・精神能力値・印象値からネテロが判断する。
トーナメントでの“負けられる数”ランキング
※回数が多い者ほど、ネテロから“ハンターとしての資質”を評価されている。
3回:ポックル、クラピカ、ヒソカ
2回:キルア、ボドロ
1回:ギタラクル(イルミ)、レオリオ
この評価をみるに、ポックルの“ハンターとしての資質”はハンゾーとゴンに次ぐ同率3位の位置にあることがわかる。
これはキルアやイルミ、レオリオのような主要キャラよりも高い数値を示しており、ハンターとしてのポテンシャルは十分あったものと思われる。
単純な格闘の強さで言えばおそらく同期の中で下位に位置するだろうが、
“ハンター同士の格闘スキル”がハンターの全てというわけでもない。
というか、弓矢を使った“狩猟”を行い、さらに「幻獣を見つけるのが目標」という明確な志まで持つ彼は、
同期の中でもトップクラスにハンター(狩人)していると言っても過言では無い。
ポックルが舐められる理由
ただ、そんなハンターとしての資質を持っている彼は、
作中のキャラから舐められるのはもちろん、果ては読者からも“弱い”“才能があるように見えない”など散々な評価をもらっている。
しかし、正直そう言われるのも頷けるほど彼のスペックは同期の中でも低めな印象だ。
ハンゾーには瞬殺され、キルアからは舐め倒され、クラピカからは不戦勝での合格を指摘されるなど、
基本的に戦闘方面でプラスの評価やフォローの言葉を貰うことはなく、実際の戦闘描写でも目を見張る何かはない。
合格後、念の習得にも手間取っており、
久々の登場となった蟻編で満を辞して七色弓箭(レインボウ)を披露するも、敵の蟻に制圧されてしまっている。
ハンター試験にてナンバープレート集めの際に、ゴンから“狩り”の技術を脳内で評価されているシーンこそあるが、それ以外の活躍機会はほとんど無い。
ハンターとしての資質はあるのかもしれないが、こと戦闘という点においては他の者と比べて実力に欠けるのは否めない。
七色弓箭(レインボウ)
では続いて、七色弓箭(レインボウ)の評価に移る。
まず七色弓箭(レインボウ)とはその名の通り、七色の性質をもつ攻撃を放つことができるポックルの念能力。
他にも能力を持っている可能性もあるが、戦闘で使われたのはこの能力だけ。
そもそも七色弓箭(レインボウ)の時点で7つ能力を持っているのは確実のため、ポックルの念容量的には他に能力を持つ余裕はない気もする。
七色弓箭(レインボウ)の能力は、全7種類あるの思われるうちの2種類が作中で明かされており、
相手を燃やす効果を持つ“赤の弓”と、七色弓箭(レインボウ)の中では最速となる“橙の弓”が作中で描写されている。
もし彼が生き延びていれば、青の弓や紫の弓が描かれる未来もあったかもしれない。
ただこの七色弓箭(レインボウ)、正直念能力としては特筆すべきところがない。
種類こそ多いが、一つ一つの精度がそれほど高いわけではなく、
最速の橙の弓ですらパイクに軽く止められる始末。
作中の戦闘描写を見ても、それほど強いようには見えない。
では、ポックルの戦闘力が致命的に不足していたのか、と言われるとそういうわけでもない。
まず、“蟻が厄介すぎる”というところは考慮する必要がある。
並のハンターでは太刀打ちできないようなレベルが量産されているのが蟻編だ。
まだまだハンターとしては成長過程であるはずのポックルが、
蟻を圧倒するような念能力に目覚めていたらそれはそれで凄いお話になってくる。彼が太刀打ちできなくても、仕方ない部分はあるだろう。
というか蟻に関係なく、そもそも“ハンター”自体戦闘力がそれほど求められない…という風潮もある。
選挙編を見ると、ハンターの平均的な戦闘力はそれほどでもない印象だ。
普段のハンター活動をこなすだけなら、ずば抜けて高い戦闘力は求められないのだろう。
はじめから“ある程度のレベルの蟻”を相手に闘うことができるゴンやキルアが異常なだけであり、
ポックルが特別弱い…というわけではないはずだ。
幻獣ハンターという活動内容故に、蟻と早々に接触することになってしまった不運は間違いなくあるだろう。
七色弓箭(レインボウ)自体の性能も、強さを求めるハンターと比べると分が悪いものの、
新米としては7つも能力を体得していること自体驚異的ではある。
自由に弓矢を出現させることができるこの能力のおかげで、
弓矢を奪われたり、矢のストックが切れて活動が困難になる…といった事態を未然に防ぐことができ、
普段の幻獣ハンターとしての活動と相性が良い。
そもそも、ポックル自身「一人で何でもかんでも対処できる能力にしたい」…というよりは、
作中描かれたように、「ポンズら仲間とチームを組んで、弱点を補い合いながらハンター活動をしていきたい」…というように見える。
ネテロやヒソカのように強さを追求していきたい…という想いはそもそもそれほど持ってはおらず、
“活動に精を出しながら、自分のペースで成長していきたかった”というのが本音だろう。
何より、同期の中では1番性格的に難が少ないのは彼の大きな強みである。
暴走したり、善悪の見境がなくなりがちな他の同期と比べてかなり常識人じみた性格であり、
順調にキャリアを重ねていれば、ハンターとして多くの人に信頼されていったのではないだろうか。
まとめ
・戦闘面以外の、ハンターとしての資質は高い
・“蟻”と出会うのが早過ぎた
といった印象である。
ポックル自体が舐められる理由もわかるし、
だがかといって彼が何かを怠けていたり、誰かを害したわけではない。
ハンターとしての資質は十分にあり、それだけに活躍の機会がなくなるのは惜しいキャラだった。
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