ストーリーの内容
(引用元:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/メメント_(映画))
テディは、「ジョン・G」がありふれた名前であることを利用してレナードを麻薬のおとり捜査に利用していたこと、真犯人のジョン・Gは既に彼の協力で一年前に殺害済みだったことを白状する。
また、レナードがいつも語るサミーにまつわる話は、レナード自身の身に起こったことだという。
実はレナードの妻は事件後も生きていたが、記憶能力を失った彼に絶望し、自分にインスリンを過剰投与させ死んだのだ。
「サミーを忘れるな」というタトゥーは、自分の話を、過去に出会った実在の保険金詐欺師サミーの話としてすり替えて覚え込み、罪の意識から逃れるためだろうという。…
現実と自分の作り出した記憶の境界とが曖昧なように感じた彼は、車を走らせながら目を閉じ「こうしている間も世界は実在するだろうか」と自問する。目を開けると街の景色は流れ、移り変わっていた。そこで「やはり世界は(自分の外部に)実在する」と認め、記憶とは所詮自分が自分であると確認するためのものに過ぎないのだと思った。
(引用元:https://cinemafaq.fandom.com/ja/wiki/メメント)
30-763:名無シネマさん :2007/05/03(木) 18:34:19 ID:1HdLZFcm
>>745
ラストでテディの言っていることが真実。以下ネタバレ
ジョンG:すでにレニーが殺している。レニーはジョンGを殺したことを覚えていない。
サミー:ただのサギ師で奥さんはいない。糖尿病はレニーの奥さん。
レニーの奥さん:強盗に入られたときは生きていた。サミーの話が自分の奥さんの投影だとするとインシュリン過投与で死亡。
ジミー:テディと麻薬絡みでトラブル。テディに利用されたレニーに殺される。
テディ:レニーの事件の担当刑事。ジョンG殺しは黙認。ただし、ジミー殺しに利用。レニーに新たなジョンGに仕立てられ死亡。
ナタリー:ジミー殺しと消えた金でトッドに疑われたため、レニーを利用して追いやる。レニーにテディの個人情報を教える(同情ではなく、終始利用しているだけ)
感想
要するに、
「レナードが現実逃避のため、自分の生きる理由を『架空の犯人探し』に見出し続けている話」と解釈しました。
そしてそんなレナードを、周りの人間が自分の都合のために利用する話。
レナードはこれからも、誰かを「ジョン・G」ということにしては、それを突き止める探偵ごっこを続けるのでしょう。
そして、その「ジョン・G」を殺したら、また別の人間を「ジョン・G」に……
という繰り返し。
まあ、いずれレナードは逮捕(または保護)され、このループは止まるのでしょうが。
面白かった。
物語の見せ方、演出の勝利。
制作側は「観客は難解なものを求めている」として、メメントやインターステラー、テネットなどを制作しているようですが、
確かに「一定のクオリティで作られた難解な作品」はそれだけで満足感がある。
で、色々と感じたことですが。
まず、記憶なんて曖昧なものだ、ということ。
私がかつて毎日見ていた実家のカーテンの色さえ、今ははっきりと思い出せない。
「薄い緑だった」と言われれば薄い緑な気がするし、「いやいやベージュだ」と言われればベージュな気がする。
あるいは、私は寝る前に「嫌な過去」を思い出すことがあるけど、本当は「もっと嫌な過去」を体験していて、でもそれを記憶から消してしまってるかもしれない。自分を守るために。
人間の記憶なんて都合の良いものだ。
次に、レナードだ。
テディが明かした話を信じるのであれば、作中で描かれた犯罪者の中で一番危険なのはレナードだけど、
彼もまた、「妻が襲われた事件」と、事件のショックにより自分が記憶障害に陥った事で「妻を死なせてしまった罪の意識」、
この二つに苦しめられている。
レナードが本当に復讐してやりたいのは自分自身なのかもしれない。
だが、そうした罪の意識から逃れるために、探偵ごっこからの殺人劇を繰り返す。
虚しい話だ。
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