先に断っておくと、私はONE PIECEの大大大ファンである。
単行本はもちろん全巻集め、
アニメも最新話までフルで視聴、
子供の頃は、「バトルごっこ」では毎回ONE PIECEのキャラの真似をしていた。
その中で、感じることがある。
「新世界編に入ってから、読みづらい」ということだ。
ONE PIECEが好きだからこそ、「読みづらく感じる理由」を端的に挙げていく。
絵が見づらい
書き込みが多く、人同士、物同士の境界がかなりわかりづらい。
誰が何をしているのかわからない場合もしばしば。
説明台詞が増加したことも相まって、画面がぎゅうぎゅうになり、更に見づらくなっている。
一度吹き出しの量を見てみてください。ページの半分近くを埋めることも珍しくありません。
必然的に絵を載せるスペースが減り、絵が見づらくなっている。
コマの配置も、微妙にページを跨ぐ大ゴマがあったりして、
「そうだ、こういうコマの配置の時は、この順番で読む必要があるんだ」というように、
一旦現実に引き戻されるケースも少なく無い。
説明口調・説明過多
新世界編は、キャラが読者に話しかけている。
前半の海では、キャラがキャラに話しかけていた。
しかし、後半の海では説明台詞が大幅に増加。
絵と流れで読み取れることも、文字で補足することが増えた。
例えば「五老星…！追ってくるか」というセリフがあるのだが、
その前のコマで五老星が襲って来ているのは丁寧に描かれている。
故に、状況をそのまま文字で説明する必要はない。
セリフを省略したり、なんならキャラクターの心情吐露の機会にしても良いはず。
説明台詞を増やすということは、
キャラクターが読者に向かって話しかけているようなものであり、
我々読者はそのキャラから「作者の意図」を感じ、生きたキャラクターに思えなくなってしまう。
リアリティも感じづらくなり、
ONE PIECEを「この世界を説明したい、書き手が存在する作品なのだ」と意識し、没入できなくなってしまうのだ。
ちなみに、説明台詞が特に多いのがモブキャラ。
名もなき観衆や名もなき海賊、名もなき海兵などがよく説明してくれている。
群像劇の弱点
今、誰が、何を目的として動いているのかがわからない。
特にワノ国編以降はかなり難しい。
一気読み出来る単行本ならともかく、
週刊連載では「今このキャラって、何のために走り回っているんだっけ？」と目的を忘れることが多い。
そして、恐らくはこの群像劇特有の弱点を解消すべく、
説明台詞や説明のコマが多用されるのだが、
そうなると上述したようにキャラクターに「作者の意図」を感じるようになり、
また画面内に台詞が増えるがために、絵の見づらさも増してしまう。
キャラクターの魅力
魅力的なキャラクターが減ったように思う。
これはメインキャラも例外ではない。
前半の海の頃は、麦わらの一味のことが本当に好きだった。一人一人に本当に魅力があった。
皆が生きたやりとりをしていた。
今も魅力が無いわけではないが……
端的に言えば、今は「(色々な意味で)読者のための会話」をしてくれてる感じがある。
ゾロとMr.1のやりとりとか好きだった。
台詞が特徴化
まず、「〜！！」が多い。
「うわぁぁ〜〜〜！！！」
「よぉ〜〜〜し行くぞぉ〜〜〜！！！」
「熱ァ〜〜〜！！！」
など。
「〜！！」自体を否定する意図はないけれど、
「〜」って結構キレが良くないというか、
「熱ァ〜〜！！」よりも
「熱ッ！！」の方が、切迫してる感じがあるし、
リアリティもある。
日常生活を送ってて、熱いものに触れた時に
「熱ァ〜〜！！」と言う回数と、
「熱ッ！！」と言う回数だと、私の場合は後者の方が多いので、
前者が多い世界では台詞に感情移入しづらくなる。
細かいように思えるけど、実際「〜〜！！」が滅茶苦茶多い。
続いて、台詞の内容がシンプル過ぎる。
「なんだ！？この鉄の怪物！！」とか、
「なんだ！？あの怪鳥！！」とか、
「うわぁ！！地震だァ〜〜〜！！！」とか、
「海面上昇ォ〜〜〜！？」とか、
なんというかこう、
もうちょっと言葉選びやテンションはバラけても良い気はしないでもない。
「なんだ！？この鉄の怪物！！」って、鉄の怪物に襲われた時ですら言わない気はする。
また、リアクションが画一的なのも気になる点。
要するに、
モブ海兵も、モブ海賊も、モブ一般人も、
なんならウソップなどメインキャラに至るまで、
みんなこういう「えぇ〜〜〜！？○○〜〜〜！？」的なリアクションを取るため、
「ああ、この世界のキャラは大体みんなこういうリアクションを取るのね」と、
この世界が漫画であることを意識し、現実に引き戻される感じがある。
セリフの緩急も以前と比べて少なく、
一定の速度のままラストのページまで進んでいる印象。
まとめ
ONE PIECEが好きだからこそ、
読み続けているからこそ、
気になった点を今回色々と挙げていった。
ちなみに私が一番好きなキャラはキャベンディッシュである。
良いキャラしてる。
それではまた。
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